2024年10月22日
防衛大臣 中谷 元 様
海上自衛隊呉地方総監 福田達也 様
8・6ヒロシマ大行動実行委員会
改憲・戦争阻止!大行進呉準備会
〒730‐0036広島市中区袋町5-4-302
電話&FAX 082-245-8410
申し入れ
中国侵略戦争絶対阻止! 日米共同統合実動演習はただちにやめろ!
2024年9月26日付で統合幕僚監部より、10月23日~11月1日に「令和6年度日米共同統合演習(実動演習)『Keen Sword25』」(以下、「キーン・ソード25」と呼ぶ)を実施する旨が発表された。
同日付で呉市からも、中国四国防衛局からの情報提供として、呉の地においてもその演習を実施する旨が発表され、海自呉基地や日米弾薬庫が訓練の拠点や対象になるという。
この日本全土で行われる「キーン・ソード25」は、初めて中国を敵国として明示した2月の図上演習「キーン・エッジ24」を引き継ぐ実動演習であり、中国侵略戦争を具体的に想定して行われる訓練・演習である。このような戦争準備を絶対に認めることはできない。 中国侵略戦争を絶対に阻止するために「キーン・ソード25」の即時中止を求める。
「キーン・ソード25」は、「強固な日米同盟の下、日米の即応態勢及び相互運用性を向上させるもの」(前出、9月26日付統合幕僚監部報道発表資料)であり、「自衛隊と米軍は力による一方的な現状変更の試みは断じて許さないという強い意志の下、あらゆる事態に対応するための抑止力・対処力を強化し、我が国の防衛及び地域の平和と安全の確保に寄与していく」(同)ために行うという。
しかし、「一方的な現状変更の試み」を行っているのは、この演習の仮想敵国である中国なのか。そうではない。「台湾有事」を声高に叫んで中国の脅威をあおり、それを口実として戦争準備を進めているのは米日政府の方である。実際に、中国軍の「台湾包囲」演習など比較にならない中国侵略戦争のための大規模演習を立て続けに繰り広げ、挑発し、戦争圧力をかけているのである。7月28日から8月7日にかけては、対中国の作戦構想「遠征前進基地作戦(EABO)」にもとづく、米海兵隊と陸上自衛隊の実動訓練「レゾリュート・ドラゴン24」が岩国―九州―沖縄で行われた。このEABOとは、沖縄・琉球弧の島々を次々と戦場にしながら中国とミサイルの撃ち合いをする作戦であり、住民の犠牲を前提としたものである。9月25日には、南中国海での多国間訓練に参加するために移動していた海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」が、自衛隊発足以来初めて台湾海峡を通過してもいる。これ自体「訓練」と称する露骨な戦争行為の一環そのものである。
米日が中国侵略戦争へと突き進んでいる最大の原因は、第2次世界大戦後の経済・政治・軍事、そして戦争、そのすべての中心であったアメリカ帝国主義の歴史的な没落である。この没落の危機からの脱出をかけて、中国に対する侵略戦争を開始しているのである。日本帝国主義もまた、経済破綻をますます深めるなど帝国主義としての存亡の危機にあり、自らの延命をかけてアメリカと共に主体的に中国侵略戦争へと突き進んでいる。
4月10日に行われた日米首脳会談では「核同盟として中国に対する戦争を準備するために米軍と自衛隊の司令部を統合する」とし、日米が一体となって中国に向けて核ミサイルを撃つ「戦争同盟」への日米安保の大転換で合意した。7月28日の日米外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)は、その大転換を具体化するものとして行われた「戦争会議」そのものである。そこでは、米軍・自衛隊の「指揮・統制」の連携強化や武器の共同開発・生産、米軍艦船などの日本での補修・整備、民間空港・港湾のさらなる軍事使用など、中国侵略戦争を実際に発動するための協議が行われ、あわせて「拡大抑止」についての初の閣僚級協議も行われた。「拡大抑止」とは、核戦争を実際に行うための準備にほかならない。アジアでも、「拡大抑止」の名のもとにアメリカの核兵器搭載可能な戦略原子力潜水艦や戦略爆撃機、中距離ミサイルの大量配備が狙われているのである。
10月1日に発足した石破新政権は、こうした岸田前政権が推し進めたアメリカと共に核戦争を行う準備を引き継ぎ、さらなる中国侵略戦争とそのための大軍拡、日米安保の大転換、労働者に対する解雇規制の撤廃などに踏み込もうとしている。石破首相は、「非核3原則を変え、憲法9条2項を削除し、緊急事態条項を導入する」と公言し、「アジア版NATO」「核共有」を叫んでもいる。石破政権は、中国侵略戦争・核戦争を推進するための政権であり、沖縄、日本全土、台湾、中国を戦場へとたたき込もうとしているのである。
呉も軍事基地としての拡大・強化が狙われ、再び呉が中国侵略戦争のための出撃基地にされようとしている。来年3月に新設される「自衛隊海上輸送群」の司令部の海自呉基地への設置や、防衛省による「防衛力の抜本的強化」を掲げた「多機能な複合防衛拠点の新たな整備」のための日鉄呉跡地の一括買収は、そのための攻撃である。7月28日の日米2プラス2での協議が呉においても現実化されようとしている。
第2次世界大戦の時も呉は一大軍事拠点であり、沖縄への出撃基地であった。そのため呉も沖縄戦の前哨戦としての空襲を受け、オキナワ・ヒロシマ・ナガサキを帰結した。こうした歴史を二度と繰り返すわけにはいかない。
以上のことから、次のことを申し入れる。
中国侵略戦争準備のための「キーン・ソード25」はただちにやめろ!
私たちは呉からも、沖縄を始め全国で、あるいは全世界で反戦・反基地のデモやストライキなどの実力行動を闘う労働者人民と連帯・団結し、共に米日の中国侵略戦争―世界戦争・核戦争を阻むための闘いをつくり出す。中国侵略戦争阻止! 戦争へ突き進む日本帝国主義―自国政府打倒へ全力で闘う決意である。
自衛隊員の皆さん、中国侵略戦争のための訓練を拒否しよう! 「自衛」という口実のもと、侵略戦争はすべて領土と勢力圏の奪い合いのために行われる。「国家・国民を守る」というペテンで侵略戦争に動員されるのは自衛隊員や労働者である。兵士は「軍服を着た労働者」だ。兵士と労働者民衆が一つに団結して闘う共通の相手は、侵略戦争で利益を得る支配階級であり、そのために兵士と労働者民衆に死を強制する帝国主義国家とその政府である。侵略戦争のための銃を握るのではなく、共に反戦闘争に立ち、戦争を不可避とするこの世界を変えよう! 私たちは、すべての自衛隊員とその家族の皆さんと団結し、共に進む。共に闘おう!
以上
2024年10月26日
防衛大臣 中谷 元 様
海上自衛隊 第31航空群司令 石川 一郎 様
米海兵隊岩国航空基地司令官 リチャード・ラスノック 様
8・6ヒロシマ大行動実行委員会
〒730‐0036広島市中区袋町5-4-302
電話&FAX 082-245-8410
申し入れ
中国侵略戦争・核戦争を準備する日米統合実動演習「キーン・ソード25」実施に抗議し、演習の中止を求めます。
2024年9月26日付で統合幕僚監部より、10月23日~11月1日に「令和6年度日米共同統合演習(実動演習)『Keen Sword25』」(以下、「キーン・ソード25」と呼ぶ)を実施する旨が発表されました。
同日出された岩国市の報道発表において、この演習が沖縄・琉球弧(南西諸島)をはじめ日本全土を使用して行われる大演習であり、岩国基地から出撃した戦闘機が沖縄や四国沖で対艦攻撃訓練を行うこと、さらには岩国基地に接岸した海自の護衛艦に弾薬や資材を搭載する訓練などを行うことなどが発表されています。
この日本全土で行われる「キーン・ソード25」は、初めて中国を敵国として明示した2月の図上演習「キーン・エッジ24」を引き継ぐ実動演習であり、中国侵略戦争を具体的に想定して行われる訓練・演習です。このような戦争準備を絶対に認めることはできません。 中国侵略戦争を絶対に阻止するために「キーン・ソード25」の即時中止を求めます。
1 侵略戦争をやろうとしているのはアメリカ、日本の側
9月26日付統合幕僚監部報道発表資料によれば、「キーン・ソード25」は「強固な日米同盟の下、日米の即応態勢及び相互運用性を向上させるもの」「自衛隊と米軍は力による一方的な現状変更の試みは断じて許さないという強い意志の下、あらゆる事態に対応するための抑止力・対処力を強化し、我が国の防衛及び地域の平和と安全の確保に寄与していく」ために行うといわれています。
このようにあたかも中国の側が侵略戦争を仕掛けようとしているかのように事態を描いていますが、ことの本質は全く逆に、アメリカや日本の側こそが侵略戦争をやろうとしています。
米バイデン政権は2022年の国家安全保障戦略において中国を「国際秩序を変える意図とそれを実現する経済力・軍事力・技術力を備えた唯一の競争相手」「米国にとって最大の地政学的難題」と規定し、米国の今後の世界戦略の中心は「中国を打ち負かすこと」であると公然と打ち出しています。
製造業の衰退、IT・テックバブル崩壊の危機、内戦一歩手前と言われるほどの「アメリカ社会の分断」という現実に示されるアメリカ帝国主義体制の危機が戦争の原因です。アメリカの支配者たちが、世界の盟主としての自らの位置を維持し延命するために、「唯一の競争相手」である中国を「打ち負かす」という中国侵略戦争を決断する中で米中の軍事的緊張が生み出されているのです。
日本政府はこのアメリカの中国侵略戦争の決断に対して、日米同盟のもとで日本が積極的に参戦することを決断しています。2022年末の安保3文書改定、防衛費の2倍化、沖縄・琉球弧への自衛隊のミサイル部隊の配備、今年4月の日米同盟のアップグレード、指令部機能の日米両軍での一体化と岸田政権のもとで戦争体制の構築が進められてきました。10月1日に発足した石破政権はそれを引継ぎ、さらに激しく戦争に向かって突進しています。
「力による一方的な現状変更」を行ってきたのは、アメリカであり日本の側です。「一つの中国」政策を一方的に放棄し、台湾に武器を送り、沖縄・琉球弧を住民の反対を無視して軍事要塞化してきたのです。今回のような演習こそ軍事的挑発そのものであり、1937年の盧溝橋事件が軍事演習からそのまま戦争に発展したように、戦争を引きよせる行為に他なりません。
2 行われようとしているのはウクライナ戦争、ガザ虐殺を何倍も上回る大虐殺の核戦争
昨年1月に米政府系のシンクタンクCSISが行った「台湾有事」のシミュレーションでは米兵の死者と行方不明者1万人以上。9月に笹川平和財団が行った試算によれば自衛隊の死者2500人、民間人の死者数百から1000人と言われています。しかし実際に行われようとしている戦争の実態はこのような数字では到底表現できない悲惨なものとなります。
米中は核保有国であり、中国侵略戦争は核戦争にならざるをえません。日米政府が現在進めている「拡大抑止」とは米国の核兵器を日本に配備し、核戦争の準備をするということです。実際、石破政権は拡大抑止協議を受けて「核共有」を公然と主張しています。
米軍の対中国作戦構想「EABO(遠征前進基地作戦)」では沖縄や琉球弧の島々を米軍や自衛隊の部隊が次々と移動し島々を戦場にしながら中国軍と戦闘をする想定となっています。沖縄戦を再現しようとしているのです。
今回の演習でも明らかなように、岩国基地は最前線の出撃基地であり、戦争になれば当然にもミサイル攻撃などの反撃を受けることは明らかです。日本全土が戦場化するのです。
現在、ウクライナ戦争ではウクライナ・ロシア双方の死傷者は100万人を超えると言われています。米軍が前面に立たなくてもこれほどの死傷者が出ているのに米軍が正面に立ち、米中という2大強国が激突したらどのような悲惨な事態になるか。米インド太平洋軍司令官パパロ海軍大将は台湾有事の際、無人機で台湾海峡を「地獄絵図」にすると公言しています。台湾・中国本土、沖縄・琉球弧が火の海になり大虐殺が行われることは明らかです。イスラエル軍によるガザ大虐殺が続いていますが、米日を始めG7各国はこのような大虐殺を現在進行で支えつつ、それを何倍も上回る大虐殺を準備しているのです。何が「地域の平和と安全の確保」(前出9月26日付統合幕僚監部報道発表資料)か! このような戦争を絶対に始めさせてはならないし、そのための軍事演習には絶対反対です
3 万国の労働者民衆の団結で戦争を阻止しよう。兵士は侵略の銃を取るな
「中国の脅威に対処する」とか「中国に侵略を思い止まらせる」などというのはすべて侵略戦争を正当化する嘘の宣伝です。「国民の生命と安全を守る」というのも全くの嘘。真実は、裏金や利権にしか関心のない政治家と、労働者を低賃金で搾取して利潤をため込むことにしか興味のない支配者たちの利益と支配の継続を守るために労働者民衆、兵士を徹底的に犠牲にする戦争です。日本がどれだけ戦場になろうと国民が何千何万人死のうと関係ないと思っているのです。
腐った支配者のために戦争にかり出され、殺しあいをさせられることに絶対反対です。日本とアメリカ、中国の労働者民衆、万国の労働者民衆の団結した力で戦争を必要としている小数の支配者たちを打ち倒し、戦争を食い止めなけばなりません。
自衛隊および米軍兵士のみなさん。腐り切った支配者たちのために戦場で殺しあいをする必要はありません。銃口を向けなければならないのは、そのような支配者たちではありませんか。兵士は侵略の銃を取るな。自国政府を打倒する反戦闘争に隊内から立ちあがろう!
改めて、キーンソード25の即時中止を申し入れます。