2024年4月21日日曜日

日米首脳会談弾劾! 8・6弾圧粉砕! 5人を取り戻そう! 教育勅語研修弾劾! 市役所包囲デモ




 4月12日、8・6弾圧に対する抗議と松井市長の教育勅語使用に抗議し、市役所前集会と市役所包囲デモを行いました。

前日未明に行われた日米首脳会談で日米同盟を中国侵略戦争遂行のための軍事同盟としてグレードアップさせたことに怒りを燃やし、まさに、戦争に向かっての反戦運動つぶしとして8・6弾圧があることをはっきりさせ、戦争を許すのかどうかをかけた大決戦として8・6弾圧粉砕を打ち砕くことをアピールしました。


デモの後の実行委員会での提起を紹介します。




4・12 8・6ヒロシマ大行動実行委員会会議での事務局からの提起


■日米首脳会談と共同宣言弾劾

4月11日に開かれた日米首脳会談と発せられた日米共同宣言、その後にフィリピンを加えた米日比首脳会談が行われました。岸田首相は事前の「米国CNN放送とのインタビューで「日本はロシアのウクライナ侵攻や継続している中東情勢、東アジア情勢を目の当たりしている今、我々は歴史的な転換点を迎えている」とし、「これこそ日本が防衛力を抜本的に強化する決定を下し、これらの問題に関連した日本の安全保障政策を大きく転換した理由」と答えています。

日米首脳宣言の「防衛・安全保障協力の強化」の項目では、

①米軍・自衛隊の「指揮統制」の連携強化、在日米軍司令部の機能強化で自衛隊が米軍指揮下で作戦を行うということ、

②「同盟の戦力態勢を強化し、高度な基地能力を構築し、脅威に対する抑止及び防衛に必要な備えを増強させる」として沖縄や南西諸島における基地機能の強化や部隊の配備を一層進めること、

③AUKUSや「日英間の(防衛協力などをうたった)広島アコード(サミットで締結)」のような日米豪間、日米英間などを軸に地域に有志国の軍事協力関係を構築するということ、

④「ミサイルの共同開発及び共同生産並びに前方に展開された米海軍艦船及び第4世代戦闘機を含む米空軍航空機の日本の民間施設における共同維持整備」として防衛装備品の日米共同生産体制の強化、米軍大型艦船(第7艦隊所属の空母、ミサイル駆逐艦など)の大規模な補修を日本企業が国内で行うなど、

⑤「日本の防衛力によって増進される米国の拡大抑止を引き続き強化することの決定的な重要性を改めて確認し、2国間協力を更に強化」と相互的軍事同盟として鮮明にさせるなど踏み込んでいます。

⑥世界最大の核兵器を実戦配備しているアメリカが「「核兵器のない世界」の実現という普遍的な目標を推進する上で、日本の「ヒロシマ・アクション・プラン」、及び「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」は歓迎すべき貢献である」と称揚し、世界的に見ても有数のプルトニウム保有国である「日本が主導する「核兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)フレンズ」イニシアチブへの米国の参加表明」と表明。このような日米による大ペテンにこの被爆地・広島こそが抗議の声を叩きつけていかねばならないと思います。


 この日米首脳会談が開かれているさなかに、沖縄県うるま市のゴルフ場跡地への訓練場建設が断念発表は大きいことです。呉の日鉄跡地への新基地建設を阻止する闘いを前進させましょう。

 岸田の米議会演説はより露骨。「1964年の世界博覧会のテーマは「相互理解を通じた平和」でした」「しかし、今の私たちは、平和には「理解」以上のものが必要だということを知っています。「覚悟」が必要なのです」と。続けて「米国は、経済力、外交力、軍事力、技術力を通じて、戦後の国際秩序を形づくりました。自由と民主主義を擁護し、日本を含む各国の安定と繁栄を促しました。そして必要なときには、より良い世界へのコミットメントを果たすために、尊い犠牲も払ってきました」と言い、「米国は、助けもなく、たった一人で、国際秩序を守ることはありません」として今後は日本が自衛隊が共に、一緒にといった表現で展開しています。


■3・19 起訴弾劾! 怒りを爆発させて、弾圧粉砕・5人即時奪還の闘いに立ち上がろう。

 2・27市議会決議、2・28 全国一斉家宅捜査・5名逮捕依頼、被爆者・被爆2世を先頭に緊急抗議声明を発し、直ちに反撃に立ち上がりました。3・7勾留理由開示公判、連日の街頭宣伝、署への激励行動。5人の仲間は完全黙秘で意気軒高と闘いぬいています。

 街頭の反応、「8月6日は静かに」と言っていた人もこの弾圧はおかしい、松井の教育勅語はおかしいと声を上げ始めています。

 こうした中での起訴の強行。中国侵略戦争参戦を決断した岸田にとって、2024年での完全な参戦国への飛躍、そのための8・6ヒロシマ闘争の暴力的解体が死活的だからです。それがどんなに破綻的であろうともそこに突っ込まざるを得ないということです。

 右翼の襲撃が始まったのは安倍政権下で安保戦争法の制定の2015年ごろから。2018年末に突然広島市が8・6のデモについてのアンケートを実施。これと連動する形で右翼勢力は「静かな8月6日を...」という市民団体を名乗り、市議会右翼市議らと連動して8・6原爆ドーム前集会への妨害・破壊と弾圧を画策。広島市議会は2021年6月には「平和記念式典を...厳粛の中で行う」という平和推進基本条例(いわゆる厳粛条例)を制定。しかし、そうした反動を跳ね返し、21年、22年とスクラムを組んで右翼の集会破壊を粉砕して原爆ドーム前集会を貫徹しました。しかし、2022年のウクライナ戦争開始、バイデン政権が「ロシアを抑え、中国を打ち負かす」と公然と中国侵略戦争を世界戦略として宣言する中で、22年末の安保3文書改定、日本の中国侵略戦争参戦の決断をもって「ヒロシマ」をめぐる攻防も全く違う段階に入りました。

 昨年5月のG7広島サミットでの超厳戒態勢の中での広島ビジョン発表、それを前にしてのはだしのゲン・第5福竜丸の削除とパールハーバー公園との姉妹公園協定、松井市長の「教育勅語」使用。明らかに国家の全体重をかけてヒロシマの反戦反核闘争を解体することを狙ってきました。

 昨年の8・6ヒロシマ大行動はこうした攻撃と真っ向から対決する8・6として闘ったということです。昨年右翼勢力は200名を全国から動員して破壊を目論みましたが、スクラムを組んで集会を従来通り貫徹しました。

 こうして見てくると今回の弾圧が戦争突入情勢の中で、闘いの前進が作り出した反動であることがはっきりすると思います。

 特に、昨年のサミット闘争の地平が大きいと思います。サミット反対を最初から掲げていたのは8・6ヒロシマ大行動だけでした。原水禁も原水協も、ありとあらゆる勢力が反対を言えなかった。しかし、サミット後に起こったことはそれこそあらゆる勢力が広島ビジョン反対の声を上げました。帝国主義の全体重をかけた攻撃であっても、絶対反対で闘う勢力があらゆる反動を恐れず立ち上がったとき、すべての人々の決起が生み出されるということです。

 ここから岸田政権はなんとしても8・6ヒロシマ大行動の闘いを解体しなければ到底中国侵略戦争への参戦などできないと今回の弾圧に踏み込んできたということです。

 したがって、この弾圧をめぐる攻防は、文字通り中国侵略戦争を阻止できるかどうかのかかった攻防に押し上げられたということです。

 「陸自の地対艦ミサイルは移動式で、隠れた場所から撃つことで敵のミサイル被弾を避けることが想定されている。だが陸自ミサイル部隊が、ゴルフ場跡地から車で約20分の石川岳などを盾にしてミサイルを撃ち、敵のミサイルから沖縄本島内を逃げ回る作戦を展開すれば、島は灰燼に帰すだろう。」「台湾有事となれば、米軍と自衛隊は、どう逃げればよいかもわからない住民を巻き込んで、沖縄本島を戦場にすることになる。」(東洋経済オンライン 3/29 山本 章子 : 琉球大学人文社会学部国際法政学科准教授) 

 すでに沖縄ではこうしたことがリアルに語られています。そういう中で石垣島では米軍のミサイル巡洋艦寄港に反対して全港湾がストに決起しています。

 こういう情勢の中で86弾圧との闘いは戦争と岸田に対するすべての怒りを結集できる求心力を生み出しています。徹底的に闘いを押し広げ、さらなる社会的大反撃と大裁判闘争を作り出し、反戦闘争の発展を全力で切り開いていきましょう。