2024年5月26日日曜日

5・25 8・6弾圧を許さない市民集会 150名で開催

 





5月25日、広島弁護士会館にて「8・6弾圧を許さない市民集会」を開催しました。全国から150名が集まり、8・6弾圧を打ち破る熱気溢れる集会として勝ち取りました。

集会の冒頭で、この間の弾圧、平和公園の8月6日立ち入り規制についての映像を上映。8・6ヒロシマ大行動宮原事務局長から経過報告が行われ、8・6弾圧に対する共同抗議声明が359名(うち海外41名)33団体(海外1)、5人の釈放を求める署名が2800名を超えたことを報告。「8・6ヒロシマ弾圧を許さない会」をこの集会で立ち上げることを宣言しました。弾圧についての許さない会のリーフレットも配布されました。

https://crush86bshd.blogspot.com/2024/05/blog-post.html

許さない会の呼びかけ人である高山俊吉弁護士(改憲・戦争阻止!大行進運動呼びかけ人)からはこの弾圧が岸田政権が全体重をかけてしかけてきた広島をつぶす攻撃であることが訴えられました。また、被爆2世の中島健さん、高槻医療福祉労組委員長であり被告の一人冨山小太郎さんのお連れ合いの冨山玲子さん、同労組書記長の村山裕子さん、全日建運輸連帯労組関西生コン支部の武谷副委員長、自治労広島市労働組合元委員長の福井利明さん、広島大学の太田蒼真さんからそれぞれの立場で素晴らしいアピールがなされました。

また、弁護団の端野弁護士、工藤弁護士から裁判闘争に向けての決意が述べられました。

広島大学の学生から、5人の被告のメッセージが読み上げられ、また被告家族のメッセージが紹介されました。被爆者の土井扶美子さん、ジャーナリストの浅井健一さんのメッセージが紹介されました。

集会の最後に広大生協労組委員長の壹貫田さんより、共同抗議声明の読み上げと今後の闘いについて行動方針の提起が行われました。

集会後、5人が拘束されている拘置所前を通るデモを行いました。沿道からの声援もいつもよりも多く寄せられました。


■ 集会の発言から

●高山俊吉さん(弁護士/8・6ヒロシマ弾圧を許さない会呼びかけ人)

 権力が全体重をかけて戦争に反対する行動を弾圧してきた。それが8・6ヒロシマ暴処法弾圧の本質です。大坂正明さんの裁判の主任検察官が今年の4月1日をもって広島に赴任した。この人事に弾圧への彼らの意気込みが見える。
 南西諸島の状況は戦時下そのものです。アメリカの中国に対する戦争挑発はすさまじい。そしてアメリカこそが、ガザへのジェノサイドの中心です。その中で闘いが全世界化し、反戦運動も大きく高まっている。
 今から15年前、法政大学の学生に暴処法弾圧がかけられ、それは無罪になった。広島の弁護士会は広島市平和推進基本条例などに何度も反対の声明を出している。
私たちの闘いは必ず勝つ。権力の全体重をかけた弾圧を受けて立ち勝ち抜こう。志を一つにして、みんなで勝ちましょう。





●中島健さん(被爆2世 反戦被爆者の会 8・6ヒロシマ大行動共同代表 8・6ヒロシマ暴処法弾圧を許さない会呼びかけ人)

5人の逮捕は、8月6日の反戦平和の集会とデモを妨害するために日本会議などの右翼が原爆ドーム前を早朝から占拠したことが引き起こしたでっち上げの権力犯罪です。右翼には原爆ドーム前を占拠する権利はありません。原爆ドーム前は、世界に向かって被爆地ヒロシマが反戦反核の戦いに戦後一貫して取り組んでいることを宣言する場だからです。日本を再び戦争国家〜中国侵略戦争のために沖縄・南西諸島をミサイル基地化する岸田政権の尖兵である右翼が我が物顔で行き来して良い場所ではない。

 そもそも、原爆ドームは市当局などの解体論を乗り越えて市民の手によって保存された経緯がある。被曝から15年後に白血病で亡くなった高校生・楮山(かじやま)ヒロ子さんが、日記に「あの痛々しい産業会館だけがいつまでも、恐るべき原爆を後世に訴えてくれるだろう」と書いたことが多く被爆者・市民の共感を得て、解体論を駆逐した。「恐るべき原爆」と怒ることもない核武装を願う日本会議をはじめとする右翼たちには、原爆ドームの前に立つ資格はない。

 右翼は、何のために原爆ドーム前を占拠したのか? 「広島市平和推進基本条例」の制定で、8月6日は厳粛に祈ることが決まったからというのだろう。 しかし、元々8月6日を「祈りの日」と求めたのは、1950年の占領軍だ。朝鮮戦争反対の闘いを禁圧するために、勅令311を振りかざして、被爆者や在日朝鮮人に襲いかかった時に使われた言葉であることを忘れてはならない。「祈り」とは極めて政治的な言葉だ。

 その2021年に制定された「広島市平和推進基本条例」は、アメリカによる原爆投下を全く弾劾しない。アメリカが原爆を使用して広島に無差別攻撃を加えた事実すら記載することを拒否している。最大の問題は、なぜ軍都・廣島に原爆が投下されたのかについて一言も言及していないことだ。天皇制国家による朝鮮半島植民地化の36年の残虐な支配の事実も、中国人民に対する15年間に及ぶ民族抑圧と虐殺についての反省はおろか、その事実すら記載しない。原爆投下が天皇制国家のアジア侵略の最も悲惨な帰結だという反省は皆無だ。それどころか、条例の第6条においては「8月6日は<世界平和樹立への礎>」とアメリカの原爆使用を賛美する有様だ。被爆地ヒロシマで「アメリカによる原爆投下」を讃えることであり、被爆者に対する侮辱以外の何者でもない。こんな原爆肯定の「広島市平和推進基本条例」を根拠に原爆ドーム前集会を禁ずるなど絶対に許してはならない。

 原爆投下が「世界平和樹立への礎」というなら、被害者である被爆者は「平和の使徒」となる。冗談ではない。被爆者が死んでくれたお陰で、日本と世界が平和になったのだから、被爆者に感謝しようとでもいうのだろうか? 日本と世界の平和のために身を捧げた被爆者が命を絶った日を厳粛に祈り、その感謝の情を示すのが国民の義務とでもいうのだろうか! これでは「平和式典」は第二の靖国になってしまう。

 原爆によって殺された被爆者は断じて、平和の使徒ではなかった。そうではなくて、日本のアジア侵略に加担させられ、動員され犬死にを強制されたのが被爆者だ。だから、我々、被爆者家族・二世・三世は、再び日本が中国アジアで民衆を抑圧・差別・虐殺することを拒否する。それは第二のヒロシマへの道だからだ。8月6日その日に、再び日本を「敵地攻撃能力」を保持した侵略国家として押し出し、被爆者・二世・三世に沈黙を強いる「厳粛な8月6日」攻撃を許すことは出来ない。虐殺された被爆者の悔しさと怒りに相応しい戦いの日としなければならない。8月6日は、原爆による虐殺に怒りをたぎらせる日です。8・6弾圧を粉砕するために共に頑張りましょう。

●端野真さん(8・6ヒロシマ暴処法弾圧裁判弁護団・主任弁護士)

 勾留理由開示公判をやるにあたって、私も暴処法がどういうものか調べました。元々、治安維持法とセットで制定されたもので、本来であれば戦後に日本国憲法のもとで廃止されるべきものだった。暴処法のそもそもの性格はしっかり述べて闘っていかなければいけないし、暴処法を前提としても絶対に無罪を勝ち取りたいと思っています。
 5人の方は全員、広島拘置所に勾留されています。大変な状況だけど、それぞれ目標をもって学習活動などに取り組まれています。長い闘いになると思いますがよろしくお願いします。

●武谷新吾さん(全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部副委員長)

 この反戦運動弾圧を厳しく糾弾します。この弾圧は、反戦運動が広がったことへの弾圧だと思います。この集会の前にも関西から来た仲間で広島拘置所に激励行動をしてきました。無実は間違いないし、無罪判決をとれると思います。
 まだ5人を奪還できていないのは大きな課題です。「抗議行動をするから保釈しない」と権力は言っているそうです。連日連夜どんどん行動をして、そんなことを言わせないようにしていきましょう。「この弾圧は失敗だった」と権力に言わせましょう。


●冨山玲子さん(高槻医療福祉労働組合委員長/冨山小太郎さん家族)

 2月28日朝の7時に大勢の公安警察が自宅に来ました。夫の小太郎には最後に一言、「がんばってこい」と送り出しました。そして組合で共にかちとろうとしていた春闘ストライキを絶対に成功させてやろうと必死に闘い、ストライキは大成功しました。
 1カ月くらいはがむしゃらにがんばったのですけど、子育てしながら仕事も組合活動もやって疲弊してしまいました。いっしょに闘う仲間が私の生活支援をしてくれて、活動を続けることができています。職場の仲間も晩ご飯のおかずを作ってきてくれたりとか、支えてくれています。
 私と夫は、イラク・アフガニスタン戦争をきっかけに別々の場所で反戦運動に携わるようになりました。世界戦争が始まろうとしている中での弾圧に、屈するわけにはいきません。8・6暴処法弾圧を1日も早く粉砕しましょう。