2023年4月27日木曜日

「サミット厳戒体制弾劾」の記者会見を行いました


広島県警が実行委員会に提示した規制エリア


 サミット反対・反戦反核の声の封殺をねらう
サミット厳戒体制を弾劾する声明


8・6ヒロシマ大行動実行委員会

広島市中区袋町5-4-302

事務局長 宮原亮

(1)

 広島県警は8・6ヒロシマ大行動実行委員会のデモ申請に対し、平和公園を挟む東西1~1・5キロの帯状のエリア(別紙参照)を規制区域として蛇腹ゲートなどを設置し、人も車両も立ち入り制限することを明らかにしました。そして規制区域内のデモの出発・解散を「不許可にする可能性がある」と表明し、自主的にデモコースの変更申請を行うよう「要請」してきました。私たちは4月20日、デモコースを変更することなく、広島県公安委員会に対してデモ申請を行いました。1週間経過していますが、公安委員会からは何ら回答は来ていません。

 また、4月14日、広島市は5月18日から21日までの平和公園の立ち入りを禁止することを発表し、その後平和公園周辺の市民会場を休館として会場の貸し出しをしないことを発表しました。

 私たち実行委員会は5月19日および20日、アステールプラザの会場を事前に借りていましたが、私たちが県警にアステールプラザを使用する旨を明らかにした2日後に、休館が発表され、一方的にキャンセルとされました。その際、アステールプラザからは「県警から市に要請があり、市からの要請で休館になった」と説明されました。


(2)

 まさにG7による「広島占領」ともいうべき異常な規制・弾圧体制です。

 G7広島サミットの会議は平和公園から6キロ以上南に離れた元宇品のグランドプリンスホテルで行われます。G7サミットの会議をやっている最中でさえ、平和公園とその周辺の立ち入りを禁止する必要があるのでしょうか? その目的は一体何でしょうか。

 私たちは、世界中の注目が集まるサミット期間中に平和公園とその周辺で「サミット反対」や「反戦反核」をアピールをすることを禁圧するための政治的弾圧に他ならないと考えます。

 2016年のオバマ大統領の広島訪問に対して、私たちは米の核の傘を容認するものとして反対しました。当日は訪問時の半日、平和公園の立ち入りが規制されましたが、平和公園周辺は往来・通行ができました。私たちは訪問の前日に原爆ドーム前で抗議の座り込みと集会を行い、翌日広島市内を抗議デモしました。 

 今回の警備・規制はこの時と比べても異常なものです。

 私たちは県警や広島市当局による異常な規制・弾圧に抗議し、このような規制を止めるよう求めるものです。


(3)

 この異常な規制が示していることは今回のG7広島サミットがいかに不正義の会議であるのかと言うことです。被爆者や市民の「核廃絶」「反戦反核」の願いを真っ向から踏みにじり、戦争を激化・拡大し世界を核戦争に引きずり込んでいく会議であるからこそ、このような異常な規制・弾圧が行われているのです。「被爆者の声を届ける」とか「資料館を見学してもらう」ということを盛んに宣伝していますが、そのようなことによって戦争会議であるG7広島サミットの性格は1ミリも変わりません。

 岸田首相はG7広島サミットを前にウクライナを訪問し、「必勝」と書かれたしゃもじをゼレンスキー大統領に寄贈しました。世界中の多くの国と人々が「即時停戦を」と声を上げているときに、「勝つまで戦争をやれ」と言うメッセージを送っているのです。

 ウクライナのゼレンスキー大統領がオンライン参加するG7広島サミットにおいてウクライナ戦争の継続・拡大が議論されることは間違いありません。イギリス軍供与の戦車が劣化ウラン弾を使用することが暴露されています。ウクライナへの軍事支援はウクライナの人々を地獄の戦場、さらには放射能汚染の地獄に叩き込むことであり、決して平和をもたらすものではありません。

 また、「力による一方的な国際秩序の変更は認めない」と言う言い方で、中国に対する軍事的圧力を強め、米日を軸とした中国侵略戦争のための会議としてもG7広島サミットは設定されています。

 いずれにしても戦後、被爆者を先頭に広島の市民が「戦争を繰り返してはならない」「核兵器をなくせ」と叫び続けてきたことを真っ向から踏みにじることが話し合われようとしているのです。これに対する被爆者・労働者市民の怒りが爆発し、デモなどでG7首脳に叩きつけられること、平和公園から全世界の人々に「戦争をとめよう!」「戦争を進める為政者を打倒しよう!」と言うメッセージが発せられることに恐怖するからこそ、このような異常な規制・弾圧が行われているのです。


4)

 サミットに合わせて18日から22日まで高速道路・一般道路が通行規制され、広島市中心部エリアの学校、幼稚園、保育園、学童保育などが休校・休園を余儀なくされ、多くの企業が休業にせざるを得ない状況になっています。病気や出産などで救急の場合、きちんと対応できるのか、高齢者や障害者の介護はどうなるのか、不安の声が上がっています。G7の首脳が我が物顔で広島を制圧し、市民生活を侵害し破壊することを許すことはできません。「平和のための会議だから我慢してください」という主張も嘘だということがはっきりしています。


(5)

 私たち8・6ヒロシマ大行動実行委員会は、国家権力・行政当局による不当な規制に対してはあらゆる手段でたたかうことを宣言します。そして5月19日、改憲・戦争阻止!大行進実行委員会と共催で呼びかける「G7広島サミット粉砕デモ」を、多くの全国・全世界の労働者・市民と共にやり抜く決意です。

2023年4月27日


以上