6月19日の天皇広島訪問に対する抗議デモに対して国家権力によるが不当な規制が行われようとしています。
19日夜に予定されている「提灯奉迎」(天皇を提灯で歓迎する行事)に対する弾劾デモに対して広島県公安委員会は「本件デモが行われることにより、本件デモ参加者の集団と、天皇皇后両陛下の乗車車両とが近接又は遭遇する可能性があるなど、公共の安全と秩序に対して直接危険が及ぶおそれがあることが明らかである」などという理由でデモコースの変更を不当にも強制してきました。天皇の訪問に抗議しているのに天皇に接近させないとは何事か!
今回の「提灯奉迎」をめぐっては原爆の犠牲者を多く出している爆心地直近の本川小学校、中島小学校の生徒を「授業の一環」などとして強制的に動員したり、県内すべての議員に協賛金を呼びかけ、公選法違反を指摘されるなど大問題となっています。
「提灯奉迎」企画の連絡先は日本会議広島。改憲、日本の核武装を主張し、天皇を崇拝し女性差別・民族差別などをあおり立てている右翼団体です。この6月8日にも女性や性的マイノリティへの差別、外国人への排外主義を煽る自民党議員・杉田水脈を福山市に招いて講演会をやっています。毎年8月6日の反戦反核集会を暴力的に襲撃し妨害しているのも彼らです。
右翼団体が企画運営する「天皇歓迎」行事に県知事が代表となり、教育委員会を通じて子どもまで動員する。戦前・戦中の「天皇陛下万歳」の強制と何が違うのか!
そもそも広島への原爆投下は昭和天皇が天皇制の護持のために戦争を引き伸ばした結果引き起こされたものです。アジア人民大虐殺の戦争、沖縄戦、日本全土への空襲と原爆投下。すべて天皇に責任があります。昭和天皇も平成天皇も今の天皇も全く責任も取っていないし謝罪もしていません。そんな天皇が広島に来ることをどうして歓迎しなければならないのか! ましてや歓迎行事に強制的に動員するなど絶対に許すことはできません。
「天皇歓迎」の強制、子どもの動員、デモへの弾圧、これらはすべて今日本が再び中国に対して侵略戦争をやろうとしていること、そのために再び天皇を中心として「お国のために死ねる国民」を作ろうとしているからです。トランプ政権の進める中国侵略戦争準備に対し、中谷防衛大臣は朝鮮半島や東中国海・南中国海すべてをひとつの戦域(シアター)とする「ワンシアター構想(オーシャン構想)」を打ち出しました。かつて日本が侵略戦争を行った東アジア全域を「戦域」として再び侵略戦争をやるという宣言です。
6月4日、5日、天皇の沖縄訪問に対して、「改憲・戦争阻止大行進沖縄」の青年・学生たちを先頭に怒りの抗議の声がたたきつけられました。これに対して、警察・機動隊は抗議行動を不当に規制し、 参加者の髪を掴む、殴る蹴るなどの凶暴な弾圧を加えた上で学生一人を逮捕しました。 絶対に許せません! 反戦闘争に対する憎悪をむき出しにして弾圧を加えるのが天皇制と国家権力の本質です。今回のデモに対する規制・弾圧も全く同じです。
私たちは不当な規制を絶対に許さず、12時からの天皇の平和公園訪問に抗議する集会・デモ、18時からの「提灯奉迎」に抗議する集会・デモを断固やります! 共に怒りの声を上げよう! 6月18日12時、そして18時原爆ドーム前に集まろう!