2021年5月27日木曜日

8.6デモを規制する、「厳粛」規定ゆるさない

 5月26日に行われた平和推進条例・政策立案検討会議は、計1043件の市民意見のうち、436件が集中している6条2項(平和式典を「厳粛の中で行うものとする」)についての検討が行われました。そして9人中7人が素案を支持したため修正されませんでした。
 素案支持の保守派の市議は、「厳粛な」という言葉は、式典中の拡声器の音を規制するために必要だと述べ、これに反対する市議はいませんでした。また、8月6日は感謝と祈りの日だとして、「恨み・辛みを述べるな」と言いました。これに対しては被爆者の市議が訂正を求めました。昭和天皇の戦争責任の否定と一体で出された「戦争中の被害は仕方のないこと」(戦争被害受任論)と、被爆者は徹底的に闘ってきた歴史を、なきものにさせてはなりません。
 被爆者の闘いを引き継いで行ってきた8.6デモを規制しようとするのがこの条例の本当の狙いです。明らかな言論・表現規制であり、改憲・戦争国家化の攻撃そのものです。
 この日、会議を傍聴に来られていた被団協(坪井理事長)の箕牧さん(理事長代行)も、式典中の拡声器の音は問題ではないこと、そして原爆投下に至った背景に戦時下の言論統制があったことを述べ、「条例で厳粛を強調することには賛成しない」と表明されました。
 私たちは、民意を無視し、憲法を踏み破ってヒロシマの反戦反核の声を取り締まる、平和推進条例の6月議会制定を許しません。


(26日、市役所前で条例案反対の訴え)


2021年5月26日水曜日

6.5 緊急討論会「何のための平和推進条例?」に集まろう!!

集会要項

  • 日時 6月5日(土) 13:30~15:30 (13:00受付開始)
  • 場所 西区民文化センター 大会議室AB
    広島市西区横川新町6−1
  • 会場代 500円 (学生、障がい者は300円)
  • ダウンロードはここから

2021年5月25日火曜日

平和推進条例の進め方に、問題アリ!

 5月25日の中国新聞に「平和推進条例の進め方が大いに問題アリ!」として、大々的に取り上げられました。これまで「修正意見に1人でも反対したら素案に戻す」という独自のルールで、1000件以上の市民意見を切り捨ててきた検討会議のあり方は本当にこれでいいのか。私たち以外の団体・有識者からも、反対意見が続出しています。



2021年5月24日月曜日

市役所前で平和推進条例について訴え


 5月24日昼、市役所前にて平和推進条例反対のビラまき情宣を行いました。あいにくの雨でしたが、「何のための平和推進条例?」「1000の市民意見を無視するな!」の訴えに、道行く多くの人がビラを受け取り、立ち止まって討論にもなりました。

2021年5月22日土曜日

平和推進条例 2~5条の素案を維持(5月21日中国新聞)

 

 5月19日にあった政策立案検討会議と、私たちが事前に行った申入れについて、21日の中国新聞で掲載されました。


5月19日、山田議長に申し入れ

 山田春男・広島市議会議長に対し、平和推進条例・政策立案検討会議のあり方を見直すよう申し入れました。



2021年5月19日

広島市議会議長 山田春男様

8・6ヒロシマ大行動実行委員会事務局長 宮原亮
広島市中区幟町14-3-705
86hiroshima.daikoudo@gmail.com


申入書


1)1000件を超える市民意見への冷淡な対応を今すぐに改めるべき
 ❶政策立案検討会議(以下、検討会議)代表は、4月になって「素案は全員が合意して作っており、修正や削除をする場合には全員の合意が必要だ」(4月16日、中国新聞記事より)と言いました。市議会がパブリックコメントを募集する際に、「検討会議の全員一致でなければ素案を変更しない」という基本方針を隠して募集したのは市民に対する背信行為ではないですか。後になって「すでに決まっていた」と言われても、市民は「意見を聞いたというアリバイ作りに利用された」としか思えません。
 ❷検討会議代表はまた、「素案作成前に専門家と平和団体にあらかじめコメントを得たから、再び意見を聞く必要はない」とも言っています。しかし、この種のものは専門家でもない市議会議員が作成するべきものではなく、本来は答申を行なうべき筋合いのものです。実際に出来上がった素案は、専門家と平和団体の意見を反映しているとは言い難く、つまみ食いして素案作成者の思惑を素案にしたに過ぎません。それ故に、専門家や平和団体からも極めて根本的な反対意見が出されているのです。
 ❶❷から、「素案について維持すると全員一致の決議がない場合には、該当の素案は削除する」が至当ではありませんか。


2)平和推進条例制定を急ぐ目的を明らかにすべき
 検討会議代表は条例制定の必要性を、(ⅰ)どのような市長が登場しても平和行政を行うことを義務付けるために、(ⅱ)予算的裏づけを法的に行う、と繰り返し説明されています。そして、市民からのパブリックコメントの採否にあたっては、この二つの目的を超えて「市長を拘束しないこと」を大きな基準に上げています。それ以上のことは「市長の裁量でできる」ことが理由にされています。
 全く語るに落ちるとはこのことです。従前から、「平和推進条例」のような代物がなくても市長は平和行政を行い、そのために必要な、他市に例を見ない額の予算を付けてきました。代表の言う条例制定の必要性と根拠は全く的外れです。しかも「被爆75年の節目での制定」も多くの市民意見によって断念せざるを得なかった今、条例制定を急ぐ理由は何なのでしょうか。
 結局、この条例で本当の目的とされているのは、6条2項で定めようとする「平和式典の厳粛化」であり、椋木議員の『アゴラ』への投稿(https://agora-web.jp/archives/2050301.html)が明瞭に述べているように、8月6日のデモを規制し、全ての集会とデモを禁止するための橋頭堡である、ということ以外に存在しません。もしそうでないというなら、検討会議の一員が、あたかも検討会議および市議会が上述の目的で条例を制定しようとしているかのような「誤解を与えている」投稿に関して、削除・訂正させ、市議会としてきっぱり否定しないのは何故ですか?


3)核戦争が切迫している時代に「反戦反核」を言わなくてどうするのか
 米・バイデン大統領は就任以降、中国を名指しで批判し「民主主義国家と専制主義国家との闘い」と公言し、4月の日米首脳会談では「台湾有事」に際し、日米が集団的自衛権を行使することを事実上宣言しました。すでに対中戦争を想定して在日米軍や自衛隊は強化されており、東アジアで、沖縄や岩国はじめ住民が核戦争に巻き込まれる可能性を高めています。こうした時代に「8月6日には全ての集会とデモを禁止する!」とは、とんでもないことです。1950年8月6日に、平和協会が平和式典を中止し、「8月6日は反省と祈りの日」(奥田助役)と談話を出し、広島市警が「勅令311号違反」をかざして「朝鮮戦争反対」「朝鮮半島での核使用反対」の抗議行動に4名の逮捕投獄で弾圧した歴史を繰り返すというのでしょうか? 先日松井市長は、今年の平和式典もコロナを理由に昨年と同規模で縮小・規制すると言いました。この状況下で被爆者・遺族・市民の参加を制限する一方で、菅首相は招待するというのですか? 核兵器禁止条約批准を拒み、オリンピック開催にいまだにしがみついてコロナ感染を広げ、「河井事件」を引き起こした1億5千万円の資金提供について説明しない菅首相に、もっと激しくヒロシマから怒りの声を上げるときではありませんか? 一体誰のため、何のための平和式典なのか。怒りと疑念は強まる一方です。

 平和推進条例の目的が決して、反戦反核運動の弾圧のためではないと言うならば、もっと真摯にパブリックコメントで出された意見、とりわけ、①「平和憲法の趣旨に沿った内容で」、②「核兵器禁止条約発効のもとでのヒロシマの取り組みの方向性を明確にするものとして」、③「『黒い雨』訴訟勝利によって明らかになった内部被曝に関する、市民と学校での教育などについて」等々の議論を継続し、前文や関連条文につき素案の修正を行うよう検討会議を指導すべきです。検討会議を「辞任する」と表明された委員を慰留するのではなく、必要であれば代表・委員の入れ替え、検討会議の一旦解散などの措置も考慮すべき段階でしょう。被買収議員への対応の件とも併せて、市民の付託に応えんとする市議会の姿を示してほしいと思います。

 上記の3点について、2021年5月26日までに文書での回答を求めます。

以上


2021年5月18日火曜日

5月15日、岩国基地の学習会とフィールドワークを行いました。

  5月15日、「ペテン的」日本復帰から49年目の沖縄で行われた抗議の取り組みに連帯し、山口県岩国市で岩国基地の学習会とフィールドワークを行いました。

 岩国市に住む仲間が、岩国基地の歴史と反基地闘争のあゆみ、現状について報告。広島県北西部に住む仲間から、岩国基地所属の米軍低空飛行訓練の騒音被害について報告がありました。参加者からはベトナム戦争のとき脱走米兵の逃亡を助けた話などが紹介されました。

 学習会のあと、岩国基地や市内の関連施設を見学。基地に反対する現地の方とも交流できました!



2021年5月13日木曜日

5月10日、市長(市民活動推進課)あてに文書を提出しました。

 広島市長  松井一實 様

 

   512日の話し合いに当たっての確認と申し入れ

 

2021年5月10

8・6ヒロシマ大行動実行委員会 事務局長 宮原亮

広島市中区幟町14-3-705

電話・FAX   0822217631

 

1、前回(330日)の話し合いの確認

 私たちは、「今年の8・6デモの実施に向けて」という文書を提出しました。これは、広島市民活動推進課課長山根孝幸さんからの今年121日付け文書「令和3年平和記念式典の挙行に適した環境の確保について(提案)」に対する、実行委員会としての見解・回答でした。これを基にして幾つかの話し合いを行いました。

 従って、今回の話し合いの場では、広島市からの見解・回答が出されて来ると理解しています。


2、実行委員会が求めている広島市の回答に関して

 実行委員会が提出した「今年の8・6デモの実施に向けて」の文書内容に対する広島市の見解を求めます。

  文書は、●「8・6デモの意義はますます深まっています」●「民衆の闘いが作った『核なき世界を求めるヒロシマ』」●「『空疎な平和』ではなく、『豊かな、真の平和』を求める声の拡大」●「私たちは私たちの規律で8・6デモを完遂する」というものでした。これに対する広島市の全面的な見解を求めます。

 現在、平和推進条例の制定を巡っても、「8・6とはなんだったのか」「二度と8・6を引き起こさないためには何をすべきか」「8・6平和式典とはどうあるべきか」などについて、多くの被爆者・市民から問題提起が行われ、論議が交わされています。広島市は、この真摯な声にこそ耳を傾けるべきではないでしょうか。改憲と戦争に進み、核兵器禁止条約にも反対する安倍・菅首相、それに繋がる議員らに反対の声を規制することに唯一力を注ぐなどは、広島市がやることではありません。

 前回の話し合いの中で出てきた問題について見解求めます。

  実行委員会は、「式典当日、音量規制のために広島市職員がデモ行進に並進するなどの規制は、とんでもない憲法違反(19条、21条)であり、到底認めることはできない」と述べ、私たちは私たちの規律で8・6デモを完遂すると回答しました。そして、デモ音量規制には何ら法的な根拠がない中で、実行委員会と広島市との信頼関係に基づく話し合いで問題解決に当たっている。(現に、事前の音量測定には参加することや、拡声器の方向についての工夫などを提示している。)にもかかわらず、広島市が憲法違反に踏み込むなどは、両者の信頼関係を崩してしまうものであり、強く抗議します。これについての広島市の見解を求めます。


3、「音量規制は、憲法違反にはならない」という広島市(山根課長)の見解に関して

 前回の話し合いの中で、山根課長は「『85デシベル規制』は、デモの内容を問題にしておらず、音量のみを規制するものであるから憲法違反とはならない」と主張しました。また、他の職員からは、「85デシベル以下とする根拠としている広島県拡声器による暴騒音の規制に関する条例については十分承知している」との発言もありました。そこで、改めて質問します。

 広島県拡声器による暴騒音の規制に関する条例の内容は、音量を規制するもので、何ら主張内容を規制するものではありません。音量を85デシベル以下に規制するだけであっても、次のような附則がつけられたのです。

 附則「集会及び結社の自由、表現の自由、勤労者の団結し、行動する権利その他の憲法で保障された基本的権利を最大限に尊重し、また、通常の政治活動や労働運動、市民運動に伴う拡声器の使用については、この条例の取締りの対象にはならないよう適切な運用が図られること。」

 よって「音量の規制だけだったら、憲法違反は起こらない」などという解釈は成り立ちようがありません。

 また、85デシベルの根拠について、「県条例の援用」などと言っていますが、附則を付けた県条例全体の趣旨を無視して、85デシベルという都合の良いところだけを抜いてきて、あたかも何か根拠があるかの装うものでペテンです。

 県条例と85デシベル、憲法違反との関係についての見解を求めます。

                                  以上

 

2021年5月7日金曜日

若林市議からの回答書

  私たちが4月26日に提出した申入書に対し、5月6日に回答書が届きました。この申入書は広島市議会議長、政策立案検討会議(代表および各委員)あてに提出したものですが、回答は若林市議によるものです。

 4月30日に行われた政策立案検討会議で、ある委員から「市民団体からの申入書の回答をどうするか議論するべきではないか」との意見もありましたが、検討会議の代表である若林市議がそれに応じませんでした。