2020年3月25日水曜日

3月24日、広島市との三回目の協議を行いました。

松井市長による、8・6拡声器規制条例制定策動を阻止!


8・6ヒロシマ大行動実行委員会 共同代表・中島健


 広島・松井市長は、8・6記念式典に参加する安倍首相に対する抗議の声を封殺しようと拡声器規制条例を狙っていました。2018年12月から1年半にもわたる攻防でしたが、広島及び全国の様々な運動体と個人の決起と支援で、一旦葬り去ることができました(まだ市は完全には諦めていません)。
 結局、松井市長は「子どもの平和への誓い」「国連事務総長のあいさつ」の時だけは配慮してくれ、というのがやっとでした。
 我々は、WHOが定める公衆での騒音規制で、式典やコンサート、集会などでは100デシベルであるという事実をつきつけ、国際基準さえも無視した松井市長のデタラメさを暴きました。しかし我々は右翼のような宣伝カーで式典そのものを粉砕する方針ではありません。そのためその問題は深入りせず、松井市長との「音」をめぐる抗争から、平和記念式典のあり方を巡る本当の抗争に入るために、被団協など他団体との話し合いに踏まえ、デモのコールが式典会場内に届くギリギリの音量である85デシベル内で合意しました。
 拡声器攻防を通じて、広島の運動間の意見交換、つながりが始まり、運動総体が大きな発展を切り開く端緒についたと総括しています。






25日の新聞で報道されました。


(3月25日付朝日新聞)

2020年3月23日月曜日

3月20日、被爆75周年第一回実行委員会を開催しました!

 3月20日、被爆75周年8・6ヒロシマ大行動の第一回実行委員会を、東区民文化センターで開催しました。この日、実行委員会に先がけて、15:30~16:45まで「戦後核支配と被爆者運動」というテーマで学習会を行いました。


 学習会では、1945年8月以降、「核」を先端とした「米ソによる戦後世界体制」に対し、“被爆者”はそれを根底的に否定する存在としてあり続けたこと。そのことが被爆者の戦後のたたかいの歴史の中にはっきりと示されていること。私たちが「被爆体験の継承」「被爆者運動の継承」という場合、この歴史をしっかり踏まえる必要があること、などを学びました。
 特に日本被団協結成総会の決議(1956年)の内容が印象的でした。原爆被害者運動の原点の内容で現在の私たちの運動にとっても、フクシマ原発事故・放射線被曝との闘いの観点からも、非常に重要な内容だと思いました。


 ※日本被団協結成総会の決議

 (1956年8月10日、長崎市・長崎国際文化会館)

 われわれ全国被害者の代表は、原爆が広島・長崎に投下されてから11年目の今日、初めて被爆の地長崎に集い、今後の目標について次のように決めました。


 1 原水爆とその実験を禁止する国際協定を結ばせよう。

 われわれは先頭にたって原水爆被害の実相を訴え、全国、全世界の国民とともに禁止運動を進めよう。
 2 被害者の医療と生活を守るため、「原水爆被害者援護法」および「原水爆被害者健康管理制度」をつくらせよう。
 国民的な世論をおこすとともに、各地域・各党派の議員に請願して国会でとりあげさせよう。
 3 被害者の自立更生のため、職業と補導とあっせん、および生業資金、奨学資金を優先的に貸与させよう。
 直接政府へ訴えるとともに、まず各自治体でとりあげさせよう。
 4 原爆症の根本治療を実現するため、世界各国の協力で「国際放射線医学研究機関」をつくらせよう。
 直接世界に呼びかけるとともに、政府、学術会議に推進してもらおう。
 5 被害者組織を強化して団結をつよめよう。
 どんな地域でも、被爆者がいるところには必ず組織をつくり、この協議会に参加させよう。
 われわれがこの目標を達成するための唯一の道は、お互いに被害者が兄弟のように手を握り合うとともに、原水爆禁止を願う全国民、全世界の人びとと固く結びあうことです。あの恐ろしい原水爆が禁止されて世界の恒久平和が達成され、被害者が真に救われる日までこの運動を続けよう。



 17時から同じ会場で、第一回実行委員会に移りました。
 まず【①総括】では、昨年の8・6以来の拡声器規制条例をめぐる攻防を総括し、改憲や言論・表現の自由への弾圧に対する危機感が広範な市民の中にあること、拡声器規制条例制定反対の運動を通じて、原爆投下から75年を迎え、8・6ヒロシマの運動はどうあるべきかをめぐって、幅広い討論が始まっていることを確認しました。
 そして【②情勢③方針】では、米・トランプ政権による大核軍拡、コロナショックをめぐる世界恐慌と戦争の危機、安倍政権による改憲策動という情勢を確認し、①新たな核戦争の危機との対決、②安倍政権の改憲攻撃との対決、③オリンピックによる福島圧殺 原発・核政策と闘う、④拡声器規制攻撃との闘い、⑤上記のようなテーマで闘いつつ、原爆被害者運動を継承し、発展させる新たなヒロシマの運動を形成していく、という今年の8・6ヒロシマ大行動の獲得目標を確認しました。
 参加者からの討論の中では、「8月6日に政治を持ち込むなという意見をどう考えるか」「慰霊と核廃絶運動を対立させるような意見をどうとらえるか」といった質問が出され、参加者全員で討論が行われました。

 討論は終了予定時間を押すほど、盛り上がりました。第1回実行委員会の討議に基づき、早急に準備を進め、呼びかけを発していくことを確認し、終了しました。


(被爆75周年8・6ヒロシマ大行動実行委員会事務局長・宮原亮)