私たち8・6ヒロシマ大行動実行委員会と、すべての原発いますぐなくそう(NAZEN)ヒロシマの2団体は、1月6日、湯崎知事あてに、「黒い雨」訴訟控訴取り下げの申入れ書を提出しました。昨年末、松井市長への申入れと同様に、昨年7月に下された広島地裁判決に沿って広島県は、原告全員に被爆者健康手帳を交付すること、そして国と一緒になって行っている控訴を、今すぐにでも取り下げるよう、求めました。
2021年1月6日水曜日
2020年12月25日金曜日
12月24日 市民活動推進課と話し合いを行いました。
私たちは12月24日、広島市(市民活動推進課)と拡声器の音量および平和行政の在り方にかんして、話し合いを行いました。今後も引き続き、協議していくつもりです。
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話し合いたいこと(市民活動推進課に提出したレジュメ)
2020年12月24日
1)
前回(10月23日)の話し合いの再確認
私たちは8月6日の拡声器使用に際し、次のような努力を行いました。
①
環境局環境保全課に騒音計をかりて、3月中旬に平和公園周辺で拡声器の実証実験を行う。
②
3月24日、市民活動推進課との話し合いの場で「10m先/85㏈以内に収まるよう努力する」として合意。
③
8月5日、先の実験にもとづいて、翌日のデモで使用する拡声器ごとに音量つまみを固定し、マイクを持つ人に関しては、発声の際の声量調整および、口とマイクの距離の調整方法など講習を実施。
④
8月6日当日朝、デモ前に原爆ドーム前で騒音計を用いて測定し、デモ中も測定。
しかし、当日市が委託した業者による測定結果によると、85㏈を越える地点があったということでした。その結果については大変残念です。やってみてわかったのは、どんなに事前に調整してもその時々の風向きや、マイクを持つ人の声量によって、実際に10m先に達する音量に違いが出るということです。よって今回の結果は許容誤差の範囲と考えていますが、引き続き来年に向けて努力する所存です。
2) 前回の話し合いを踏まえて、市民活動推進課から今年の式典中の拡声器の音量に関する調査の情報提供をしていただき、私たちも内容を確認しました。それらの結果について、市は式典中の拡声器の音量(その規制の是非)について、今現在どのような見解をお持ちか、教えて下さい。
9月24日の中国新聞では、「デモ音量『影響ない』56%」「割合倍増 団体配慮か」との見出しの下、以下のように紹介しています。
●我々のハンドマイクから出る音の受け止めについて
「式典への影響はない」としたのは56.1%で昨年より28.7㌽増えた。「悪影響がある」としたのは43.9%で15.0㌽減。昨年は10.8%が「わからない」としたが、今年はゼロだった。
●音量への対応について
「関係者に対する要請や話し合いを続けるべきだ」が46.3%で3.6㌽上がった。「規制する措置を講ずるべきだ」は22.2%で10.5㌽減った。「何もする必要はない」は22.2%で10.6㌽増えた。
1回目(2018年12月実施)、2回目(2019年8月6日)のアンケートと比較しても、市民の条例規制を求める割合は69%→33%→22%と減少しています。今、市民の世論として式典中の条例制定を求める状況にないと言えるでしょう。
また、今年合意した「10m先/85㏈以内」が正当な数値かについても、大いに議論の余地があります。そもそもデモ隊と式典会場は最も接近したところで200~300m離れており、拡声器の音量を多少変更したからといって、届く音にどの程度の違いがあるのかはなはだ疑問です。
しかし、来年の平和式典まで半年以上あり、私たちが来年どういうふうにデモを実施するかについては、現段階では白紙です。引き続き市と協議し、両者の納得できる合意点を設定することに、鋭意努力いたします。そして合意点に到達した際は、その確実な実施について今年以上の努力をしたいと思っています。
3)
8月6日の平和式典のあり方は、平素からの松井市長の平和行政の在り方に規定されているという観点から、前回から引き続き3点質問します。
①
広島市が「黒い雨」訴訟に対し、控訴した理由を今一度説明してください。地裁判決の一体何が不服なのでしょうか? 厚労省からの「法定受託事務」であったとしても地方自治体の事務であり、基本的には自主的に処理できるのに、なぜ市は自主的に国の意向に従ったのでしょうか?
広島の高校生・酒見知花さん(盈進高2年)が、「本気なのか
『黒い雨』控訴に思う」という作文で、控訴した松井市長に率直かつ痛烈な批判を述べています。こうした若者の声に松井市長は真摯に向き合い、対応を改めるべきではないではないでしょうか。
②
核兵器禁止条約について
広島市として日本政府の署名・批准および、締約国会議への日本政府のオブザーバー参加を引き続き強く求めてください。
③
広島市平和の推進に関する条例(仮称)について
松井市長は9月14日、拡声器規制条例の制定を求める「静かな8月6日を求める広島市民の会」という団体の申入れを受け取った際に、「拡声器の規制について、今後は、平和推進条例の方で対応してもらう」と答えましたが、一体どういうことなのでしょうか? 前回も申入れたことですが、松井市長はわれわれと直接会って話をしてください。
以上
12月24日 「黒い雨」訴訟 控訴取り下げの申入れ
私たちは、NAZEN(すべての原発いますぐなくそう全国会議)ヒロシマの仲間と一緒に、12月24日広島市役所を訪問。松井市長(原爆被害対策部援護課)に対して、ただちに「黒い雨」訴訟の控訴を取り下げるよう、また国の設置した検討会の結果を待たず、被爆者援護法にもとづいて「黒い雨」被爆者の全員に速やかに被爆者健康手帳を交付するよう求めました。
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広島市長 松井一實様
申し入れ書
2020年12月24日
被爆75周年8・6ヒロシマ大行動実行委員会
事務局長宮原亮
広島市中区幟町14-3-705
電話&FAX 082-221₋7631
1、申し入れの内容
「黒い雨」訴訟での控訴を取り下げ、84人に被爆者健康手帳を交付すること
私たちは8月25日に、「黒い雨」訴訟の控訴を取り下げるよう申し入れました。私たち以外にも各方面からの控訴取り下げの声が高まっているにもかかわらず、広島市は取り下げに応じておりません。11月18日に広島高裁で第一回控訴審が開かれ、裁判長は、来年2月17日の第二回目の公判で結審となる可能性もあると述べています。私たちは、11月7日に「原告による報告会」、12月13日には「黒い雨」に関する”科学的知見”について、「大瀧慈さん講演会」を開催しました。この中で、原告の方々の長年にわたる命をかけた国との闘いの苦労と、被ばくの実相を巡る最新の科学的知見について学びました。また、原告の訴えにまともに向き合わず、広島地裁の明確な判決にも従わず、「検討会」で時間稼ぎを行う日本政府への怒りが、より一層強くなっています。私たちは広島市に対し、国のでたらめな控訴にきっぱり異議を申し立て、直ちに控訴を取り下げ、原告84人に被爆者健康手帳を交付するよう、あらためて求めます。
2、理由
広島地裁の、原告全面勝利・画期的判決。これを覆すことは許されない。
●「黒い雨」の降雨域について 厚労省が「黒い雨」被爆地域の指定に使ってきた宇田降雨図を否定し、「降雨域は宇田雨域に止まるものではなく、より広範囲に降った事実を確実に認めることができる」と結論づけています。さらに、宇田降雨図より拡大した増田降雨図、大瀧降雨図を認めた上で、この降雨図に含まれない地域にも被爆者が存在することも考えるべきと述べていることは極めて重要です。
●「黒い雨」に放射能が含まれていたかについて、判決文は「黒い雨には放射性微粒子が含まれていたと認められる」と述べ、「外部被曝に加え内部被曝を想定できる。健康被害を生ずる可能性があることは十分首肯される」と述べていずれも認めました。
●原告の証言の評価について、判決文は、「原告らの供述は被告代理人の反対尋問を経てもその核心部分を信用できないとする事情は伺われず・・・陳述書の内容に不自然不合理な点はないことから、黒い雨に曝露したと認められる」と述べて、信用性があると結論づけています。
●現行制度の評価と改善について 判決文は、健康診断受診者証制度が44年間定着してきたことを踏まえて、その制度で認められた被爆者と同程度の「黒い雨」の曝露があれば、健康管理手当対象の疾病があるかどうかを判断すべきとして、法を改正しなくても被爆者健康手帳の交付が可能であることを示しています。
3、国の控訴と検討会の不当性
政府は、控訴の理由を「判決は十分な科学的知見に基づいているとは言えない」「長崎体験者制度の最高裁判決と違う」「最新技術で科学的に検討する」などと述べて、膨大な控訴理由書を提出しています。
しかし、判決では「これまで黒い雨地域が被爆地域に指定された際、放射線量などが問われたことはなく、被爆者の援護に関する認識を改めるべき根拠が生じたわけでもないのに、本訴訟においてのみことさらに重視するのは相当ではない」と退けています。今さら「最新技術で科学的に検討する」と言うのもおかしな事です。やれるのであれば、4 年間の第一審の中でやるべきだったのです。
また、国は「対象地域の拡大も視野に含めた」検討会を行うとして、11月16日に第一回目の会議が行われています。しかし、何も期待はできません。本当に「拡大を視野に」入れているのだとすれば、一旦84人に被爆者健康手帳を交付した上で検討会もやればいいのです。また、対象地域の拡大と言ってもこの線引きが新たな分断を生む可能性は大きいです。広島地裁判決は、増田・大瀧降雨図の外にも「黒い雨」の被害者がいると言っているのですから、政府がいう「対象地域の拡大」などは今更必要ないのです。むしろ中途半端な「拡大」は、新たな分断を生み出します。検討会は、広島市と広島県を控訴に引き入れる口実にしかすぎないペテンです。
以上
2020年12月14日月曜日
12/13 大瀧慈氏講演会 ~「黒い雨」訴訟における”科学的知見”をめぐって~を開催
2020年12月6日日曜日
11/7 「黒い雨」訴訟原告による報告会の動画
講演会
「黒い雨」訴訟における‟科学的知見”をめぐって
●12月13日(日)12時30分開場/13時開始 14時30分終了
●東区民文化センター・大会議室 〔参加費〕500円
※新型コロナ感染予防のため
●風邪症状がある方のご入場をお断りすることがあります。
●会場内ではマスクをして下さい。
●入場時に手指消毒をしてください。
●随時換気を喚起をしますので各自で防寒対策をしてください。
2020年12月2日水曜日
「黒い雨」訴訟に尽力した大瀧慈さん講演会へ!
講演会
「黒い雨」訴訟における‟科学的知見”をめぐって
●12月13日(日)12時30分開場/13時開始 14時30分終了
●東区民文化センター・大会議室 〔参加費〕500円
※新型コロナ感染予防のため
●風邪症状がある方のご入場をお断りすることがあります。
●会場内ではマスクをして下さい。
●入場時に手指消毒をしてください。
●随時換気を喚起をしますので各自で防寒対策をしてください。
2020年11月8日日曜日
11/7、「黒い雨」訴訟原告による報告会を開催!
私たち8・6ヒロシマ大行動実行委員会は、11月7日、NAZEN(全ての原発いますぐなくそう全国会議)ヒロシマの仲間と共に、広島地裁で「全面勝訴」の画期的判決を勝ち取った「黒い雨」訴訟原告団の方を招き、その報告会を開きました。当日は会場を埋める85人が参加。「黒い雨」被爆者のたたかいと地裁判決の意義について、また国・県・市の控訴の不当性について、参加者全員で確認し、きたる控訴審(11月18日に第一回口頭弁論)勝利に向け心を一つにする感動的な報告会となりました。
まず最初に、「黒い雨」訴訟原告の本毛稔(ほんけみのる)さん(80歳)が発言。本毛さんは、5歳の時自宅近くで黒い雨を浴びたこと、その後も黒い雨や埃、塵を含んだ沢の水を飲み、野菜を食べて育ったこと、さらに自宅前の川の対岸は援護対象区域だが自宅周辺は対象外とされてきたことなど報告。「川を挟んで違う雨が降るわけがない。こんな線引きは納得できない」「控訴を聞きショックだった」と憤りを語りました。
つづいて、県「黒い雨」原爆被害者の会連絡協議会事務局長・牧野一見(まきのかずみ)さんが42年間の住民運動と5年間の裁判闘争の経過を報告し、地裁判決について解説。同判決は、国の援護対象とした区域外で黒い雨を浴びても健康被害があり得ることを認め、放射性物質を体内に取り込む内部被曝を考慮するよう求めたもので、「画期的」と評しました。そして国・県・市の控訴を、「高齢化した原告と被爆者への冷酷な仕打ち」と断罪。加藤厚労大臣の「判決は十分な科学的知見に基づいているとは言えない」のコメントは、「判決では『これまで黒い雨地域が被爆地域に指定された際、放射線量などが問われたことはなく、被爆者の援護に関する認識を改める根拠が生じたわけでもないのに、本訴訟においてのみことさら重視するのは相当ではない』ときっぱり退けている」と紹介し、「判決を確定させて実施することこそ全面解決への近道」「世論の応援を力に控訴審での勝訴を目指す」と決意を述べられました。
さらに「特別報告」と題し、9月17日に控訴取り下げの意見書を全会一致で決議し、国と県に送付した安芸太田町議会から報告。「原告84名のうち27名がわが町の在住。これまでのいきさつを考えると、自治体は主体的に動かなければならない」、と決断に至った過程を明らかにされ、会場から大きな拍手を受けました。
その後、司会から、大瀧慈さん・矢ヶ崎克馬さんら「黒い雨」訴訟に尽力された研究者と福島在住の医師から寄せられた連帯のメッセージを紹介。会場の参加者からは「この判決は国の原子力政策に、全体的に影響を及ぼす。そういう意味で“画期的”だったからこそ、国は控訴した。『黒い雨』訴訟で、ようやくヒロシマとフクシマの連携をつくるきっかけを作らせてもらった」「これは原告だけの問題ではなく、広島、人類の問題。原告の方が代表して闘ってくださったおかげで色んなことが明るみになり、社会は改めて目を向けることができた」などの発言が続き、熱気あふれる意見交換の場となりました。
この日は新聞・テレビなど8社が取材し、控訴審を目前に控え、原告団と支援の思いの両方をアピールする良い機会になりました。「黒い雨」被爆者の人生かけた内部被曝告発の闘いの勝利に向け、運動の垣根や地域の違いを越えて、皆が力を合わせていく時です。「黒い雨」訴訟への支援をよろしくお願いします。
8・6ヒロシマ大行動実行委員会 K
(11月8日付中国新聞)