2023年4月27日木曜日

広島市による平和公園立ち入り規制と市民会場の休館に抗議申し入れ

 



4月27日、松井一實広島市長に対して、「サミット期間中の平和公園の立ち入り制限に反対する申し入れ」を行いました。また合わせて、サミット期間中の市民会場の休館決定によるアステールプラザの貸し出し取り消しに抗議し、説明を求めました。

申入書は以下


2023年4月27日

広島市長

松井 一實 様


8・6ヒロシマ大行動実行委員会

広島市中区袋町5-4ー302

082-245-8410

事務局長 宮原 亮


サミット期間中の平和公園の立ち入り制限に反対する申し入れ


 4月15日の報道によれば、広島市は5月18日から21日に平和公園一帯への市民や観光客の立ち入りを制限する事、平和資料館などの施設を休館にすることを発表した。またこれと合わせて、アステールプラザなど平和公園周辺の市民会場も休館を発表した。

 この規制と合わせて広島県警は平和公園を挟む東西1~1・5キロの帯状のエリアを、やはり5月18日から4日間にわたって蛇腹ゲートなどを使って立ち入り制限しようとしている。

 サミットの主要会場は元宇品のグランドプリンスホテルである。元宇品で会議をやっている最中でさえ、なぜ平和公園を立ち入り制限する必要があるのか。

 この規制は「テロへの警戒」などという名目で、世界中の注目が集まるサミット期間中に市民が反戦平和のアピールを平和公園やその周辺で行うことを禁圧することを目的としたものである。この1点で今回のG7広島サミットがいかに市民や被爆者の反戦平和や核廃絶の願いに逆行する会議であるかを示している。

 4日間にわたる立ち入り制限の撤回を求める。


 今回のG7広島サミットはサミット県民会議が「核兵器のない真に平和な世界の実現」と宣伝していることとは真逆に、対ロシアの戦争をエスカレートさせ、対中国の戦争を発動していくための会議として設定されている。

 先進7カ国は、現在進行しているウクライナ戦争において、ウクライナへの莫大な兵器を送って戦争を継続させている戦争の一方の張本人である。岸田首相は先日、ウクライナを訪問し、日露戦争での日本軍の勝利に由来する「必勝」のしゃもじをゼレンスキー大統領に贈呈した。ウクライナに「勝つまで戦え」というメッセージを送るものであり、ウクライナの人々に戦争の地獄を延々と強制するものである。イギリス軍からウクライナ軍に供与される戦車には、劣化ウラン弾が使用される事が明らかとなっている。市のウェブサイトでは劣化ウラン弾について「放射線による人体や環境への影響が危惧されています。」「本市としては、・・・使用すべきではないと考えています。」と記載されているが、アメリカはじめG7各国は全て劣化ウラン弾の使用を「問題ない」と正当化している。ウクライナ戦争がウクライナの人々のためのものでもなんでもなく、G7各国の「ロシアの弱体化」と「東欧の勢力圏化」という帝国主義的な目的のための戦争であることは明らかである。G7広島サミットはこの戦争をさらにエスカレートさせるものになる。

 また、この間台湾総統と米下院議長の会談が行われたり、米州兵による台湾軍への訓練が行われたり、「台湾有事」と称して中国への侵略戦争を行う準備が進んでいる。岸田政権も、防衛費の2倍化、敵基地攻撃能力保有、沖縄・南西諸島の前線基地化を進めている。G7広島サミットは対中国の戦争を準備し、発動していく会議としても設定されている。

 G7の内3カ国(米・英・仏)が核保有国であり、あと2国(ドイツ・イタリア)には米国の核が配備され、日本にも中距離核ミサイルの配備・核共有が準備されている。又、どの国も核兵器禁止条約を批准していない。

 このような、G7首脳が、被爆地ヒロシマに集合したら「核廃絶」「平和会議」になるというのか! 絶対あり得ない。

 原爆投下の経験を持つ広島市は本来このようなG7広島サミットの開催に反対すべきである。ところが広島市は国や県などと一体でG7サミットの広島開催を推進した挙句、今回のように政治的弾圧を警察権力と一体で行おうとしている。決して許されることではない。

以上