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過去の大行動の記録

2022年12月25日日曜日

広島サミット県民会議はウソの宣伝をするな! G7広島サミットは核戦争会議だ! 県民会議に申し入れ


 12月23日、大豪雪の中、広島サミット県民会議に対して、①核戦争会議であるG7広島サミットを美化し、本質を隠蔽するウソの宣伝をやめよ、②サミット歓迎企画などに自治体の職員を動員するな という主旨の申し入れを行いました。翌日の中国新聞にも報道されました。

申入書は以下の通りです。


2022年12月23日


広島サミット県民会議 

会長 広島県知事 湯崎 英彦 様

副会長 広島市長 松井 一實 様

副会長 広島県商工会議所連合会 会頭 池田 晃治 様


8・6ヒロシマ大行動実行委員会

〒730-0016 広島市中区幟町14-3-705

事務局長 宮原 亮


G7広島サミットに反対する申し入れ


(1)G7広島サミットは核戦争のための会議だ。G7広島サミットの開催をやめよ。広島サミット県民会議によるG7広島サミットの美化、核戦争会議という本質の隠蔽を許さない。県民会議はウソの宣伝をやめよ。


 広島サミット県民会議はその設立趣旨において「G7サミットの広島開催は、ウクライナ情勢が緊迫化し、核兵器使用のリスクへの懸念の高まりとともに、人類存続の危機に陥りかねないという不安が世界中に広がる中、G7各国が、世界の平和と持続的な発展に向けた対話の場所として広島の地を選んだ」と規定し「広島から力強い平和のメッセージを世界中に発信し、核兵器のない真に平和な世界の実現に向けた機運を高める取組を行う必要があります。」と述べている。ポスターや市政だよりなどでも同様の宣伝を繰り返し、まるでG7広島サミットが「核兵器のない真に平和な世界の実現に向けた機運を高める」ことにつながるかのような宣伝をしている。

 しかし、G7広島サミットは、対ロシア、対中国の核戦争会議である。

 実際にもG7各国はウクライナ戦争に膨大な兵器を送り、アメリカに至っては作戦をも共有する戦争当事者そのものとなっている。ロシアの核使用には核で対抗することを米バイデン政権もNATOも主張している。

 岸田首相は今年6月のドイツ・エルマウサミットにおいて「来年のG7サミットでは、武力侵略も核兵器による脅かしも国際秩序の転覆の試みも断固として拒否するというG7の意思を、歴史に残る重みをもって示したい」「平和のモニュメントの前で平和と世界秩序と価値観を守るために結束していくことを確認したい」と述べている(外務省HPより)。

 ここでいう「武力侵略」「核兵器による脅かし」「国際秩序の転覆の試み」というのは全てロシアや中国のことを指している。NATOの新戦略概念(今年6月)でも、アメリカの国家安全保障戦略(今年10月に公表)でもロシアと中国をそのように規定している。米のこの文書では「中国に打ち勝ち、ロシアを抑制する」「二つの主要な核保有国を抑止する」として「直面する脅威に確実に対応するため核戦力を近代化する」とまで言っている。そして先日岸田政権が閣議決定した安保3文書改定でも中国を「これまでにない最大の挑戦」と規定し、敵基地攻撃能力の保有を宣言し、トマホークなどのミサイル(容易に核兵器となる)を配備しようとしている。

 要するに、ロシア・中国の核を「断固として拒否する」と言ってこちらも核戦争をやる、そのために「結束する」のが広島サミットということだ。ロシアや中国が「危機」の原因であるかのように言っているが、軍事挑発を繰り返し、相手側の「攻撃の着手」を理由に「敵基地攻撃」で先制攻撃する侵略戦争をやろうとしている。「核兵器使用のリスク」「人類存続の危機」を作り出しているのはむしろG7である。そのG7首脳が「平和のモニュメント」の前で居並び、「被爆地に認められたG7」として核戦争を正当化する宣言を世界に発する。これがG7広島サミットの本質ではないか!

 G7の内3カ国(米・英・仏)が核保有国であり、あと2国(ドイツ・イタリア)には米国の核が配備され、日本にも中距離核ミサイルの配備・核共有が準備されている。そしてどの国も核兵器禁止条約を批准していない。

 オバマ元大統領の来広島の時、核のボタンを平和公園に持ち込んだが、今度は核のボタンを3つも持ち込ませようというのか!

 このような、G7首脳が、被爆地ヒロシマに集合したら「核兵器のない真に平和な世界の実現」になるというのか! 絶対あり得ない。「市民、県民にとっても『広島で開催されてよかった』と思っていただけるような、広島サミット」(県民会議HPより)などというのは被爆者をはじめとした広島の反戦反核の思いと運動に対する愚弄である。2万3千人(伊勢志摩サミット時)の警官を動員して戒厳体制を敷こうとしているが、このような戒厳体制で市民・労働者を黙らせて核戦争会議を強行しようとすることを断じて認めることはできない。

 広島県知事や広島市長はこのような戦争会議が広島で開催されることに対してむしろ抗議すべきであって、歓迎するなどもってのほかである。

 広島サミット県民会議は、G7広島サミットが「核兵器のない真に平和な世界の実現」につながるかのようなウソの宣伝をやめよ。


(2)「サミット歓迎」への自治体職員の動員を直ちにやめよ

 このようなG7広島サミットを「成功させる」ために県民会議など「サミット歓迎」の行事などに広島県や広島市をはじめとした県内各自治体の職員を本来の部署から引っこ抜いて大量に動員している。ただでさえ人員不足と非正規職化が進行している自治体職場において、引き抜かれた部署は深刻な人員問題が発生することは明らかである。コロナや物価高で苦しんでいる庶民を放置して、膨大な税金を注いで開催すること自体が許されないのに、市民生活を支える自治体職場を破壊することを断じて許すことはできない。

 県民会議は「サミット歓迎」の行事などへの自治体職員の動員をやめよ。


以上


 申し入れの場で県民会議が主張する「核兵器のない真に平和な世界の実現に向けた機運を高める取り組み」とはどういう取り組みなのかという質問をしました。それに対しては「平和資料館を見学したり被爆者の話を聞いたりして被爆の実相に触れてもらう」という内容の回答でした。私たちは、対ロシア、対中国の核戦争の準備を進めるG7首脳(岸田首相こそ、つい先日敵基地攻撃能力保有を宣言したばかり!)が被爆者の話を聞いたとして、自分たちの行う戦争を正当化するために利用されるだけであること、安倍元首相も9回も記念式典に参加しているが、少しも平和の実現になっていないことなどを訴えました。


サミット県民会議の設立趣意書(pdfファイル)

https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/500196.pdf

広島市 市民と市政 G7サミット特集(pdfファイル)