4月15日、読売新聞が主催し、広島大学の特別協力のもと、広島コンベンションホールで「G7 広島サミット開催記念シンポジウム」が開催されました。「核抑止」の名のもとで米の核保有を容認することを押し出すシンポジウムに対して、広島大学の学生を先頭に抗議の行動が行われました。
向こう側が広島コンベンションホール
当日配布した広島大学学生自治会のアピールを掲載します。
「核の傘」を容認するシンポジウム弾劾
「核戦力の削減に動けば、我々の安全保障を弱体化させる」
「核の近代化を進めるのが時代の潮流」
「アジアに核兵器が配備されていない核態勢は、今日では不十分」
(23/2/15 読売新聞のインタビュー記事より)
核兵器容認ふざけるな!
本日(4/15) 読売新聞が主催して広島で開催する「G7 広島サミット開催記念シンポジウム」は、「核廃絶の理想」と「安全の確保の現実」などと言いなし、核廃絶を投げ捨て、核兵器をヒロシマの名で認めるよう転換させるものです! 絶対に許すことはできません!
とりわけ広大生として、このような核兵器容認のシンポジウムへの広島大学の特別協力を認めることはできません!
このシンポジウムのチラシでは、ロシアの「核の恫喝」を「核抑止体制への挑戦」として糾弾する一方で、日本や東アジアの安全にはアメリカの「核の傘」が必要であるとしてアメリカの核を肯定しており、ヒロシマで強く拒絶されてきた核抑止論を支持するものです。
基調講演を務めるブラッド・ロバーツ元米国防次官補代理は、拡大抑止(アメリカの核を同盟国に配備する)の強化を求め、日米での核使用に関する協議の枠組みの設置を唱えています。日本に具体的に核兵器を配備しようとしている人物なのです!
核や軍事による「安全の確保の現実」などということそのものが全くの誤りです。ウクライナ戦争はまさにウクライナの「安全の確保」と思われたNATO 加盟をめぐっておきた戦争であり、アメリカ・NATO は「安全の確保」どころか、プーチンとともにウクライナに戦禍をもたらしたのです。そして今この戦争はどちらかが屈服するまで強力な兵器で殺しあう、際限ない殺戮戦争になっています。核戦争だってありうるウクライナ戦争こそが「安全の確保の現実」
がもたらしたものではないですか!
なにが「安全の確保の現実」だ!
戦争屋どもを絶対に許さないぞ!
G7 サミット=核戦争会議だ!
G7 サミットそのものが核戦争会議です。エマニュエル駐日米大使は10 日に講演し、「核兵器は用いられるべきではないという点だけでなく、(そういった)原則を核保有国に堅持させるために強固な抑止力が存在する必要があるということを、G7は再び明確にするだろう」と言っています。つまり、「核なき世界」はあくまで中国やロシアに求めるものであり、アメリカ・NATO の核はそのためにむしろ必要なのだということ、これを強固に確認するのがG7 サミットだというのです。結局はどちらの核体制を受け入れるのか、という話でしかありません。これのどこが「核なき世界」への筋道なのでしょうか?
ウクライナ戦争が開戦して1年以上が経過していますが、その間もG7 各国は停戦を図るのではなく、むしろ停戦の可能性が出るたびにウクライナに兵器支援を行い、戦争を長引かせてきました。
さらについ先日はイギリスが劣化ウラン弾の供与を発表しましたが、劣化ウラン弾は放射性物質を使用した兵器であり、兵士の健康も環境の汚染も顧みないありかたは、「反戦・反核」とは対極にあるものです。これに対しては、被爆者からも「劣化ウラン弾が使用されたなら次は核兵器だ」と危惧する声が上がっています。
日本もこの間、G7 議長国として、他のG7 各国のようにウクライナ戦争に加わろうとしています。これまで武器輸出三原則などでできなかった、ウクライナへの殺傷兵器の提供さえ、法を変えて進めようとしています。さらには、対中国を念頭に、アジアを中心に武器輸出を進めるOSA ということまで始めようとしています。ウクライナ戦争への参戦のみならず、日本が対中戦争の主導者になろうとしています。
このように、戦争を終わらせるどころか戦禍の拡大を進めているのがG7 です。参加する複数の国が核を保有、或いは保有を検討しており、このような国々を広島に招いたところで「反戦・反核」につながる筈もありません。広島で開催する真の目的は、「広島に認められた」と居直って、「ロシア・中国の核を使わせないため」として核抑止論のもとで更な
る核の拡大を図るものです。
核廃絶を訴えてきたヒロシマを踏みにじり核戦争さえ進めていく、サミットそのものを粉砕するしかありません。
労働者・学生にこそ核廃絶が可能だ
このような戦争策動を進めるG7 各国に核廃絶の理念を託すことなど一切できません。戦争のための会議であるG7 サミット、そしてこの核抑止論推進のシンポジウムにを粉砕するための行動に立ち上がり、怒りの声を叩きつけましょう。
労働者・学生が立ち上がることによってこそ、戦争を止め、核のない世界を実現できます。戦後も朝鮮戦争などでアメリカは核使用を狙っていましたが、これを阻んできたのは、ヒロシマ・ナガサキをはじめとした反戦反核の闘いです。核抑止力などでは全くありません。
そして今、G7 の国々を中心に「NO NATO」「武器にではなく賃金に支払え」といったスローガンが掲げられた、戦争反対のデモやストライキが巻き起こっています。
ロシアでも、激しい弾圧がありながら、ウクライナ戦争開戦から今に至るまで、戦争反対を訴えて労働者や学生は立ち上がり続けています。私たちが期待すべきなのは、G7 の戦争屋共ではなく、こうした世界中の戦争絶対反対で闘う人々です。世界の仲間とともに、全ての核に反対し、核戦争会議G7 サミットを止めましょう!
2 月アメリカ全土で反戦デモ。EU 各国でも同様の反戦デモ多数。