核配備・対中戦争を準備する日米2+2
今年4月におこなわれた日米首脳会談では、日米安保同盟について「核を含むあらゆる能力を用いた……米国の揺るぎないコミットメント」(日米共同声明「未来のためのグローバル・パートナー」)を表明。核同盟として中国にたいする戦争を準備することを確認し、そのために米軍と自衛隊の司令部を統合することで合意した。日米が一体となって中国にむけて核ミサイルを撃つ「戦争同盟」への大転換だ。日米2+2はこうした日米首脳会談の合意事項を具体化するものとしておこなわれる。文字通りの「戦争会議」だ!
日米で中国侵略戦争構える軍事演習
この日米2+2に合わせて7月28 日から8月7日まで、陸上自衛隊と米海兵隊の実動訓練「レゾリュート・ドラゴン」が沖縄・九州を中心に過去最大規模で開催されようとしている。今年のレゾリュート・ドラゴンは「米海兵隊の機動展開前進基地作戦(EABO)を踏まえ、作戦レベルと戦術レベルにおける連携要領の具体化を図る」とし、今年3月に新設された「地対艦ミサイル連隊」(沖縄県・勝連分屯地)が初めて参加し、V-22 オスプレイが昨年に続いて参加する。
このEABO は、沖縄・琉球弧の島々を次々と戦場にしながら中国とミサイルの撃ち合いをする作戦だ。有人島を含む約40 の島々を飛び移りながらミサイルを発射し、反撃を受けても次のミサイルを撃つというものであり、住民を犠牲にすることが前提の作戦だ。断じて許せない!
レゾリュート・ドラゴンには米軍岩国基地も参加する。上陸作戦と兵站輸送のためにオスプレイを整備・展開し、九州から琉球弧に武器と兵士を送るための訓練だ。
核配備のための会議と同時に、このような中国侵略戦争のための訓練がおこなわれるというのだ。絶対に許せない!
核を容認するヒロシマへの転換が狙われている
米インド太平洋軍司令官のパパロは、6月10 日付米紙ワシントン・ポストのインタビューに対し「中国が台湾に侵攻」した場合には「多数の機密装備を使い、台湾海峡を数千の無人兵器による地獄絵図(ヘルスケープ)にしたい」と答えた。
このように具体的に準備されている日米の対中国侵略戦争とは、帝国主義が自らの延命をかけて大国化した中国に戦争を仕掛けるものであり、人類を破滅に導く核戦争になるほかない。米バイデン政権は5月14 日に2年半ぶりとなる臨界前核実験を行い、今後の核使用を視野に実験の頻度をあげるとしている。これに呼応してNATO 事務総長のストルテンベルクは「核兵器を保管庫から出して配備する」(6月17 日付英紙テレグラフ)と語っている。
岸田政権・松井市政は、体制の延命をかけ、なんとしてもヒロシマの反戦反核の闘いを潰し、ヒロシマから核を容認させるために血道を上げている。今年の「平和記念式典」は例年以上に帝国主義者のための「戦争式典」となる。現在もパレスチナへの虐殺を継続し、「アメリカは勝つために原子爆弾を投下した」「ガザに原爆を落とすのも選択肢の一つ」と語るイスラエルを招待し、イスラエルによる虐殺を全面的に擁護し支援しているアメリカの代表(駐日米大使エマニュエ
ルは「沖縄の基地は負担ではなく責任」だと言い放った人物であり、札付きのシオニスト)を招き、軍事費二倍化を目下すすめている岸田首相に挨拶をさせる。これが戦争式典でなくて何だというのか!
なにより広島市長・松井一實は、平和教材から『はだしのゲン』を削除し、就任以来10 年間にわたって新人研修に「教育勅語」を使ってきた人物であり、広島県警と一体となって、昨年8月6日原爆ドーム前の反戦集会・デモに参加した5人の仲間を逮捕・起訴させている、ヒロシマ潰しの下手人だ。
5人の仲間は、戦中「治安維持法」を補完するものとして制定された「暴力行為等処罰法(暴処法)」という弾圧立法を根拠にして勾留され続けている。『はだしのゲン』で描かれていたのとまったく同じ戦時弾圧だ!
「戦争式典」粉砕する8・6ヒロシマへ!
広島市は5月、原爆の日にドーム前も含めた平和公園全域を鉄柵で囲い反戦反核集会を禁圧すると発表した。戦争屋が一堂に会する「戦争式典」を守るために、反戦反核の声を上げさせないということだ。こんな式典は粉砕する以外にない! 8・6ヒロシマ大行動に集まり、核戦争阻止の巨大な反戦闘争で戦争屋どもを倒そう!
核配備を狙い、中国侵略戦争を核戦争として準備する日米帝国主義を倒そう! 7月28 日ヒロシマ集会に集まろう!