アピールを読み上げる広島の自治体労働者
8・6ヒロシマ・アピール2022
2022年8月6日 8:00 原爆ドーム前
77年前の今日、一発の原子爆弾によって一瞬にして数万の命が奪われ、広島市一帯は焼け野原となりました。ナガサキも合わせて、その年の12月までに20万人以上の命が奪われました。その後も放射能の影響によって今に至るも被爆者の命を奪い、健康を脅かし続けています。
二度とこのような惨禍を繰り返させてはならないと、ヒロシマ・ナガサキの被爆者を先頭に、全世界の労働者民衆が核と戦争に反対して77年間たたかってきました。
今、私たちは77年間のこのたたかいの本当の意味が問われる状況に直面しています。
ウクライナをめぐるロシアとアメリカ・NATO諸国との間の対立はついに戦争となって火を噴いています。アメリカは戦争をもっとやれとばかりに兵器を送り、対するロシアのプーチン大統領は核使用を示唆する発言を繰り返しています。
安倍元首相は「核共有」を主張し、岸田政権は日米首脳会談で日米共同で「台湾有事」への「対処」、すなわち中国への侵略戦争・核戦争を行うことを宣言しました。
かつて、日本の中国侵略戦争をはじめとした列強の間での勢力圏の奪い合いが世界戦争に発展したこと、その帰結としてヒロシマ・ナガサキがあったことを思い返さなければなりません。今目の前でその時と全く同じことが繰り広げられています。このまま進行すれば世界核戦争に発展する危険な情勢です。
戦争を止める道は、一方の参戦国の側について戦うことでも、武器を送ることでも、「国を守るため」と言って核兵器を保有したり、軍備を2倍にすることではありません。自国政府の戦争に反対し、戦争をやめない政府を打ち倒すような巨大な反戦闘争を、国際的に連帯しながら各国で巻き起こすことが戦争をとめる最も現実的な道です。
今、岸田政権が憲法9条を変え、戦争のできる国家に転換しようとしています。そのために、安倍元首相を賛美し、国葬まで行って改憲への流れを作ろうとしています。「敵基地攻撃能力の保有」「防衛費の2倍化」を叫び、沖縄・南西諸島を拠点とする中国との核戦争の計画を作り、「拡大抑止の強化」の名で、日本全土に中距離核ミサイルを配備する計画を進めています。岸田政権による改憲・大軍拡・核ミサイル配備を絶対にやめさせなければなりません。中国侵略戦争・世界核戦争に突き進む岸田政権を打倒しなければなりません。
反戦反核の8・6ヒロシマを圧殺するためにこの数年、デモを条例で規制する攻撃がかけられ、右翼ファシストによる反戦反核集会への襲撃が繰り返されてきました。こうした中、岸田政権は来年5月のG7広島サミット開催を決定しました。2万人の警察官で威圧して核戦争のための会議を被爆地で行い、ヒロシマの声とたたかいを圧殺しようとしています。
だが、二度とヒロシマ・ナガサキを繰り返させないという日本の労働者民衆の決意とたたかいはどのような圧力によってもつぶすことはできないことをはっきりさせましょう!
今日この場に集まった皆さん、平和公園を訪れている皆さん! 8月6日の私たちの祈りは、二度とこのようなことを繰りかえさせないという決意と一体のものであり続けたはずです。目の前で始まっている世界戦争を止め、自国政府の戦争政策をやめさせるため、ともに声を上げましょう! 8時15分の黙祷から、広島を利用して核戦争に突き進む岸田首相の式典出席に抗議し、改憲・大軍拡・核ミサイル配備絶対反対のデモに打って出ましょう!