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過去の大行動の記録

2022年7月13日水曜日

岸田首相の式典出席反対・G7ヒロシマサミット反対などを広島市に申し入れ



7月11日、松井広島市長宛に


①岸田首相の平和式典参加に反対し、式典への招聘を撤回すること

②G7サミット広島の開催に反対であること

③ロシアとベラルーシの式典排除=侵略戦争の一方の当事者の側に立つことに抗議

の3点の申し入れを行いました。


以下申入書本文を掲載します。





2022 年 7 月 11日 

広島市長  松井一實  様   

被爆 77 周年 8・6 ヒロシマ大行動 

事務局長 宮原亮 

広島市中区幟町 14-3-705 電話・fax 082-221-7631 



申入書 


 被爆77年の今年の86ヒロシマは、かつてない核戦争の危機が切迫する中で迎えます。私たちは、ウクライナ戦争、米日の中国への侵略戦争準備など、進行している第三次世界大戦ー 核戦争をなんとしても止めなければなりません。そのために、以下、申し入れます。 


1 岸田首相の平和式典参加に反対します。広島市は式典への招聘を撤回してください。 

 岸田首相は「核兵器のない世界」を語って日本の核武装・戦争を進めています。岸田首相は、ことあるごとに「被爆地広島出身」「私のライフワークは核兵器なき世界」などと言っています。しかし、やっていることは真反対で、敵基地攻撃能力の保有・軍事費2倍化など改憲と戦争・核武装です。広島を騙って(かたって)ヒロシマを潰す最悪の政治家・首相です。

  523日の日米首脳会談で合意された「拡大抑止の強化」とは米国の弾道ミサイルや戦略爆撃機、戦略原潜などを同盟国である日本に配備するという意味です。具体的には、すでに昨年、米軍から米国議会に予算要望書が提出されている中距離核ミサイル (INF)の日本列島への配備のことに他なりません。日本に核を配備し、日米同盟のもとで中国に対する核戦争を準備する岸田首相が86日の平和式典に参加することに絶対反対です。岸田首相の式典への招聘撤回を求めます。 

2 G7サミット広島の開催に反対です。 

 岸田首相は523日の日米首脳会談の際に来年の広島でのG7サミット開催を決定しました。その際「広島ほど平和へのコミットメント(誓約)を示すのにふさわしい場所はない。核兵器の惨禍を人類が二度と起こさないとの誓いを世界に示す」と広島で開催する理由を説明しています。しかし、来年のG7広島サミットは「核兵器の惨禍を起こさない」ための会議どころか、戦後初めて具体的な核兵器を使った戦争の実行を話し合うための会議になろうとしています。

  本年626日から28日にドイツで開催されたG7サミットでは目の前で繰り広げられているウクライナでの戦争に軍事的支援をさらに拡大すること、ウクライナとの軍事同盟を強化することが確認されました。サミットに引き続いて開催された29日、30日のNATO首脳会談には日本の首相として初めて岸田首相が参加しました。この会議では、NATOの戦略概念においてロシアをこれまでの「戦略的パートナー」から「最も重要で直接の脅威」と規定を変更し、即応部隊をこれまでの4万人から30万人に拡大すること、ウクライナの兵器や装備をNATO標準にすると宣言し、事実上ウクライナをNATO加盟国扱いにしました。そして最も重大なことはNATOの戦略概念として初めて中国に言及し「中国が国際秩序、加盟国の国益や安全保障に挑戦」「インド太平洋地域での出来事は、大西洋地域の安全保障に直接影響を与える可能性があり、NATOにとって重要」と明記しました。要するに、今回のG7サミット・NATO会議はロシアに対する軍事同盟・戦争会議として開催されたと同時に、中国に対する軍事同盟・戦争会議として開催されたということです。

 このことを見た時、来年のG7広島サミットは、ますます緊張する米国と中国の関係の中で、今回のサミット以上に対中国に対する軍事同盟・戦争会議になることははっきりしています。それはつまり、被爆地広島の地で核戦争の具体的な実行のための会議が行われるということです。岸田首相はこの広島サミットの本質を隠して広島でサミットを開催すれば「平和会議」になるかのように宣伝していますが、犯罪的な大嘘つきだと言わなければなりません。こんなものを広島の被爆者、労働者市民は断じて受け入れるわけにはいきません。G7広島サミット開催に反対します。 

3 ロシアとベラルーシの式典排除=侵略戦争の一方の当事者の側に立つこと に抗議します。 

 広島市は、今年の式典にロシアとベラルーシの代表と大使には招待状を出さないという 異例の措置を決定しました。外務省から招待を見送るよう要請があって判断したと言われ ています。新聞報道によると市民活動推進課は「式典に招待することで、ロシアに日本の 姿勢について誤解を招く恐れがある」と説明しています。ロシアのウクライナ侵攻は非難 するが、日米が現に進めている中国侵略戦争・核戦争は容認するというのでしょうか。ウクライナ戦争はロシアとアメリカ・NATOがウクライナをめぐって戦争をやっているのであり、どちらの側から見ても侵略戦争です。ロシアとアメリカ・NATO双方がお互いに侵略戦争をしているとき、一方のアメリカ・NATOの立場に立つ「平和式典」など許されません。

  広島市は、米国が劣化ウラン弾まで使ってアフガニスタンやイラクへの戦争を行ってい た時にアメリカを招待しないという措置をとったでしょうか! 私たちは、安倍首相の式典参加について抗議を続けてきましたが、広島市は「被爆の実相を知って貰えば、核戦争をしてはいけないとの思いを持ってもらえる」から呼ぶんだと回答し「ヒットラーでも呼びます」とまで言ったこともあります。しかし今回国からの圧力で易々とロシア・ベラルーシ排除を決定しました。この矛盾的立場を広島市はどのように説明するのか。

  核戦争を阻止し、核を世界から廃絶することは、核保有国や核戦争を準備している国の 代表に核戦争の悲惨さを伝えることで実現するものではなく、核保有国の支配者たち、核 戦争を準備する支配者たちと対決する世界の労働者民衆の力によって実現するものです。 核兵器禁止条約もまさにそのような力によって発効しました。広島市主催の平和記念式典 もまた、全ての核保有国と核戦争を遂行しようとする国の支配者たちとキッパリと対決す る立場に立つべきです。                          


以上