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過去の大行動の記録

2021年7月28日水曜日

7/20 市民活動推進課に申し入れ(報告が遅れました)

(7月21日中国新聞)

 私たちは7月19日に松井一實・広島市長(市民活動推進課)に以下の申入れを行い、20日には直接「平和推進基本条例を前提にした話し合いには応じられない」と伝えました。
 ※文中の「資料1」とは、7月6日付で市民活動推進課から私たちに送付してこられたFAX文書(ダウンロードはここから)です


2021年7月19日
松井一實 広島市⻑ 様 

8・6ヒロシマ大行動実行委員会 事務局⻑ 宮原亮 
電話&fax 082-221-7631

8・6平和式典をめぐる広島市(市⺠活動推進課)との協議について


1、 この間の経過
①  6月7日 市民活動推進課との協議 
 実行委員会は昨年の8・6平和式典以降も1~2ヶ月に一回程度、8・6平和式典中に実施するデモの在り方について、真摯な話し合いを市との間で継続してきました。その過程で、今 年は音量測定の事前演習を行うことが決まっていました。しかし、市議会での平和推進基本 条例(6条2項)をめぐる議論の中で、理念法であるはずの同条例について「実行委員会のデモ規制を目的とする」という趣旨の発言が複数あり、そういった市議会と「歩調を整えて動いている」といった市⻑の発言が相次いでいました。よってこの日の話し合いでは、これまでの「規制条例ではなく、話し合いで」という前提・信頼関係が壊されていることを抗議し、広島市の見解を文書で求めました。 
② 6月25日 平和推進基本条例が市議会で可決
③ 7月6日 市民活動推進課から、1への回答がFAXで送付(資料1)
④ 実行委員会で③への対応について検討してきました 

2、市の回答(資料1)についての実行委員会の意見 
・1について 
 回答では、「3月26日の記者会見の発言は、言葉が足りず、市⻑の真意が十分に伝わらない部分があったもの」との確認があり、7月1日の記者会見での発言が紹介され、「この市⻑発言のとおり、本市としては、引き続き、貴委員会との協議を続け」たいとしています。 
 しかしこれは、「市⻑の真意とは何か?」という質問の説明にはなっていません。 市⻑は、6月2日の記者会見で、平和推進基本条例に関する記者の質問に対し「元々、この条例の制定に入る前に、議会として、『広島市原爆死没者慰霊式並びに平和記念式が厳粛の中で挙行されるよう協力を求める決議』というのを議会全体でやって、それをより具体化するための条例制定ということで、今検討されていると思っています」と述べており、広島市が今後も平和行政を実施するための理念法といった同条例の趣旨を理解せず(あるいは意図的に誤った解釈をして)、平和式典中のデモ規制を具体化するためのものとしています。 
 また市⻑は、条文「(6条2項)本市は、・・・・・・市⺠等の理解と協力の下に、厳粛の中で行うものとする」を、7月1日の記者会見で、「この条例には、式典を厳粛に行うことについて、まずは理解していただき、その理解の上で協力してもらうということが明記されている」と言い換え、市⺠(この場合は実行委員会)に「式典を厳粛に行うことを理解し協力しなければ ならない」と迫っています。市⻑の言っていることは、明らかに条例の内容と食い違っているではないですか。 
・2について 
 実行委員会は、市⺠活動推進課を窓口として行ってきた市との協議を、平和推進条例に「厳粛」を入れても、言論・表現の自由を保障する憲法に違反しないことの根拠に使われていること抗議しました。引用の箇所のどこを読んでも、何ら回答になっていません。 
・3について 
 実行委員会は、「規制条例によらず、話し合いで解決する」と言っておきながら、一方では規制を意図した条例が作られようとしている(作られた)ことについて、市の説明を求めました。 
 6月2日の記者会見で、市⻑はそもそもこの条例は、厳粛な式典を行うためのものだと明言しているのですから、「平和推進」とは名ばかりで、拡声器規制・デモ規制のためのまさに「厳粛条例」といっても差し支えありません。 
 このような条例を作っておきながら「協議を続けていく」といっても、それは対等なもの ではなく、「条例」をかざした「理解と協力」の押し付け以外の何物でもありません。 

3、今後の市との協議について
① 平和推進基本条例に基づいた協議には、応じることは出来ません。 
 この条例は制定の意図、あるいは市⺠意見を無視した検討会議のあり方、はたまた検討会 議での結論が会派間の取引で一瞬で変えられた不透明さなど、どれをとっても不信の対象で しかありません。そして「厳粛」記載は憲法違反であり、実行委員会としては廃止を求めています。 
 市⻑はこれまで、この条例制定の意図を「厳粛な式典を行うため」と明言しています。これは、市議会で説明されてきたものとは違います。市⻑が間違っているのであれば、発言の撤回を求めます。そして、平和推進基本条例に基づいた「理解と協力」を求める協議には、応じることは出来ません。 
② 実行委員会は、改憲と戦争を進める首相の式典参加・発言に抗議するデモ行進を行い、 シュプレヒコールをあげてきました。静かにしていることは、再びヒロシマ・ナガサキ・ビ キニ・チェルノブイリ・フクシマを繰り返すことになるものです。「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」の誓いを裏切ることはできません。 
 これまでの協議の中でも、拡声器の音量問題に切り縮めるのではなく、なぜ改憲と戦争を進め、核兵器禁止条約に反対する時の首相を式典に参加・発言させるのか、抗議の声がなぜ「騒音」なのか、そもそも平和式典とは何か、8・6原爆投下とは何だったのかなどについての討議を求め、意見を表明してきました。 
 これらについてもっと本質的な協議が必要と考えます。これらの協議は大切であり、実行委員会としても大いに協議を行いたいと思います。広島市は、広く市民に呼びかけて討論の場を設定すべきです。 

以上